【カーオーディオ雑学】「アウターバッフル」構造解説編

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“アウターバッフル”の例。製作/ジパング(鳥取県)
“アウターバッフル”の例。製作/ジパング(鳥取県) 全 1 枚 拡大写真

カーオーディオにおいて、“取り付け”は非常に重要な項目である。そしてここには多くのノウハウが存在している。その1つ1つを、じっくりと研究している当コーナー。今週は「アウターバッフル」についての2回目をお贈りする。

前回は、「アウターバッフル」の概要を解説した。それに引き続いて今回は、この“構造”について解説していく。

構造的なタイプは、大きくわけて2つある。1つは、ドア内部の鉄板から土台を立ち上げて、スピーカーの取り付け面を内張りパネル面と揃える、というもの。そしてもう1つは、内張りパネル側にスピーカーを固定する、というものだ。

主流は前者だ。こちらのほうが、より足場を安定させやすいので、音質的に有利なのである。それに対して後者は、スピーカーの安定度という点でビハインドがある。それなりに内張りを補強するのは結構大変だ。しかしながら、ドア内部の構造上の問題等々で、このタイプしか選択できない場合もある。というようにこのタイプは、“緊急避難”的な方法、という側面も持っている。

なお、鉄板から立ち上げるタイプの場合は、内張り面と高さをジャストに合わせることと、立ち上げたスピーカーと内張りパネルとの一体感を出すことの以上2点が、見た目上のポイントとなってくる。

そして音響的なポイントとなるのは、“背圧の処理”である。スピーカーは前側から音を出すのだが、背面からも音エネルギーを排出している。振動板が前後に動くことで音が生まれるのだが、その現象は、振動板の後ろ側でも同様に起こっている。この後ろ側から発せられる音エネルギーを、なるべくスムーズに奥側に逃がしたいのである。

しかし、土台を立ち上げていくと、その土台部分が筒状になっていく。そしてその内部が閉塞的な空間となってしまうと上手くない。そうなると、背面から発せられる音エネルギーが、筒内で跳ね返りスピーカーに戻ってくる。結果、振動板の動きにストレスを与えてしまうこととなる。

それに対策するために、多くの場合、筒状になった内径を、奥に行くに従って広げていく加工が施される。そうすることで、裏側の音エネルギーがスムーズに奥側へ流れていくのである。

今週はここまでとさせていただく。次週もさらに“アウターバッフル”に関する考察を続けていく。次週もお読みいただけたら幸いだ。

【カーオーディオ・インストール雑学】パート3「アウターバッフル」#02 構造解説編

《太田祥三》

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