作動したエアバッグで同乗の女児を死亡させた母親に有罪判決

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今年2月に電柱へ衝突する事故を起こし、作動したエアバッグによる圧迫で同乗していた3歳女児を死亡させたとして、過失致死などの罪に問われている30歳の女に対する判決公判が1日、大阪地裁で開かれた。裁判所は執行猶予付きの有罪を命じている。

問題の事故は2016年2月17日の午後4時50分ごろ発生している。大阪市東住吉区公園南矢田付近の市道を走行していた軽乗用車が道路左側の電柱に衝突。この事故で助手席に同乗していた3歳の女児が死亡したが、女児には死に至るような目立つ外傷が無かった。このため司法解剖が行われたが、この際に胸部圧迫による心タンポナーデが原因で死亡したことが判明。衝突によって作動・展開したエアバッグの衝撃によって体を強く圧迫されたものと推測された。

事故を起こしたクルマの後部座席にはチャイルドシートが搭載されていたが、運転していた30歳の女(死亡した女児の母親)は「近所への買い物だから使わなかった」と供述。事故の原因は「ダッシュボード上から落ちた携帯電話を拾おうとしてハンドル操作を誤った」ということも判明した。その後の調べで、この女からは覚せい剤の成分が検出されたことから、警察は5月に覚せい剤取締法違反(使用)容疑でも逮捕。検察は覚せい剤使用と自動車運転死傷行為処罰法違反(過失致死)の罪で女を起訴していた。

1日に開かれた判決公判で、大阪地裁の本村暁宏裁判官は、女が覚せい剤を使用した時期を「2月9日から19日ごろ」までと認定した。事故については「前方を注視するという基本的な注意義務を怠った」と指摘。死亡した女児をチャイルドシートではなく、助手席に着座させたことについても「安全への配慮を欠いた」と認定したが、反省している点は斟酌し、女に対して懲役2年(執行猶予3年)の有罪判決を言い渡している。

《石田真一》

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