【INDYCAR 第15戦】ディクソン圧勝、久々の今季2勝目…佐藤琢磨は17位

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優勝した#9 ディクソン。
優勝した#9 ディクソン。 全 8 枚 拡大写真

インディカー・シリーズ第15戦の決勝レースが現地4日、米ニューヨーク州の「ワトキンスグレン」にて実施され、ポールポジション発進のスコット・ディクソンが完璧といえる内容で圧勝した。ディクソンは5カ月ぶりの今季2勝目。佐藤琢磨は17位だった。

今回を含めて残り2戦となった今季のインディカー。第15戦の舞台は、今季途中にキャンセルされたボストン市街地戦に代わってカレンダー入りした伝統あるロードコース、ワトキンスグレンである。

フルコースコーションの発生タイミングと戦略の絡みなど、様々な要素が運、あるいは不運となって多くのドライバーに影響を与えるレース展開となったが、この日のスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/シボレー)に関しては、それらも一切関係なしと言っていいくらいの無敵状態。その速さの前に不運も勝手に遠ざかってくれるような流れで、ポール発進からレースを完全制圧して優勝した。

最終的な2位との差が16秒を超える圧勝。「こういうスムーズな勝利を得ることは、とても難しいんだ。すべてのチームスタッフに最大の感謝を捧げたい」と語るディクソンは4月上旬の第2戦以来となる今季2勝目、昨季を含む過去4度の戴冠歴を誇る彼は通算40勝の節目に到達したわけだが、そのなかでも指折りの圧勝だったといえるのではないか。

「マシンの出来はファンタスティックだったし、このコースも大好きだ」。中高速コーナーが続く迫力あるコースレイアウトのワトキンスグレンへの賛辞も口にしながら、ディクソンは久々の勝利を喜んだ。

決勝2位はジョセフ・ニューガーデン(#21 Ed Carpenter Racing)、3位はエリオ・カストロネベス(#3 Team Penske)で、シボレー勢が表彰台を独占。ホンダ最上位は4位のコナー・デイリー(#18 Dale Coyne Racing)だった。5位はセバスチャン・ブルデー(#11 KVSH Racing/シボレー)、6位はチャーリー・キンボール(#83 Chip Ganassi Racing/シボレー)。

佐藤琢磨(#14 AJ.Foyt Racing/ホンダ)は予選最下位(22位)からの戦いとなったが、終盤には戦略をうまく機能させてトップ10フィニッシュが確実な流れとし、5~6位あたりも視野に入ってきていた。しかし他車との接近戦のなかでスピンを喫し、最終結果は17位だった。

佐藤琢磨のコメント
「とてもエキサイティングなレースでした。フルコースコーションが3度出され、結果的に私たちのチームはいい作戦を選べていました。序盤には作戦が裏目に出たこともありましたが、終盤の勝負どころでの判断が正しかったので、上位の戦いに加われました」

「そこからは激しいバトルが繰り広げられました。ライバルたちの多くに燃料をセーブする必要があり、さらに上位へと再びポジションを上げていくチャンスを手にすることができましたからね。残り2周となって、さらにポジションを上げるべくアタックしたのですが、シモン・パジェノーと並んでターン7に入った時、2人とも普段よりわずかにラインがアウトに膨らみ、タイヤかすに乗ってスピンを喫してしまいました」

「自分のミスでした。言葉もありません。スポンサーやメカニックに申し訳ないです。いい結果がつかめそうだったのに、それを手にすることができませんでした」

そして、いよいよ最終局面に差しかかった同門チャンピオン争いの方は、初王座に向けて逃げるシモン・パジェノー(#22 Team Penske/シボレー)が今回7位、28点差で追っていた14年王者ウィル・パワー(#12 Team Penske/シボレー)が同20位。差は43点に開いた。

最終戦はダブルポイントで争われるため、優勝なら100点以上の加算が可能だが、今回の結果でパワー自力逆転の可能性は消滅した。

また、パワーは今回のレースを他車との交錯によるクラッシュで終えており、その身体検査動向次第で最終戦の出場に影響が出るような事態が発生すると、戦う前にパジェノー戴冠決定となる可能性も考えられなくはない。アクシデント後のパワーは大丈夫そうな様子だったが、彼は似たような状況で今季開幕戦決勝を欠場しているだけに少し気になるところ。とにかく両者完調での真っ向勝負によるタイトルバトルを望みたい。

佐藤琢磨の最終戦での今季初表彰台にも期待がかかる第16戦は、現地18日に決勝開催の日程。カリフォルニア州のロードコース、ソノマ・レースウェイで開催される。

《遠藤俊幸》

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