【東武SL】南栗橋に50年ぶりのけむり…C11に火が入る[フォトレポート]

鉄道 企業動向
東武鉄道C11形207号機「火入れ式」(9月12日、南栗橋「SL検修庫」内)
東武鉄道C11形207号機「火入れ式」(9月12日、南栗橋「SL検修庫」内) 全 22 枚 拡大写真

「てんかぁっ!」 埼玉県久喜市、東武鉄道南栗橋車両管区に新設された「SL検修庫」内。油が燃える匂いがただよい、男の大きな声が響いた。北海道からやってきた蒸気機関車C11形207号機の「火入れ式」。その1時間の“儀式”を22枚の写真とともに順に見ていこう。

気温30度を超え始めた12日13時、南栗橋駅から歩いて20分ほどのSL検修庫は、同管区北西寄り、日光線の本線から最も離れた位置にある。

庫内にはC11を囲むように、東武の役員・幹部30人、それを囲むようにメディア陣が50人。さらに釜の後部に機関士・機関助士ら10人。各陣営の挨拶が続き、根津嘉澄社長がトーチ(たいまつ)を両手に運転室へ。「てんかぁっ」の声とともに、C11の煙突からゆらゆらと薄黒いけむりがあがった。

小さく「シューッ」。C11の息づかいが聞こえてきた、と思ったら「それでは記念撮影でーす!」。幹部陣30人は、ほっとした面持ちで、ひな壇状に並び、メディアたちのフラッシュを浴びた。

「プワッ」という軽いクラクションが鳴り、南側からアント(入換用動力車)が近づいてくる。何度もクラクションを鳴らし、C11と連結。ゆっくりと庫内から引き出されてきた。「次はSL単体での撮影になりまーす」と。

機関士側の窓の下には「28-7 苗穂工」の白文字。その上の区名札が入る部分には何も付いていなかった。「いまのところ、どういう名前のものが入るかは未定」と東武関係者。北海道で走っていたころと同じ姿に戻った“東武釜”は、太陽の下に移されると、にぶい黒色がきれいに見えた。

「軸、軸を!」。鉄道専門誌の撮影グループが威勢よく作業員に伝える。聞けば、正しいロッドの位置があるらしく、「あともうちょい」といった細かな指示でやっと停止したそのポーズは、ビシッと決まっていた。

1966(昭和41)年に東武の線路から蒸気機関車が消えて、ちょうど50年。秋空のもと、ふたたび東武に蒸機のけむりがあがった。

《レスポンス編集部》

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