【ボルボ XC90 T8 試乗】新しいボルボを作るという決意がものすごい…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
ボルボ XC90 T8 Twin Engine AWD
ボルボ XC90 T8 Twin Engine AWD 全 8 枚 拡大写真

運転席に座ったとたんに目が点である。これがボルボなのか。ボルボが社命をかけて追求する安全性。インテリアのデザインやスイッチの位置やカタチなど、計算された理念のもとに作られてきたはずだというのに、この凄まじい変わりよう。これまでのクルマたちと似ている部分は、どれだけ探しても見つからない。ITがクルマと合体しつつある今、培ってきたものをすべてゼロにもどして、新しいボルボを作る決意がものすごいオーラとともに伝わってくる。

センターパネルにどかんとつけられたタッチパネルは、そもそもこんな大きさでは電力のほうがかかるのではないか心配してしまう。しかし、最初に感じる違和感も、操作は超絶しやすい。タッチパネルが大きい分、表示も大きいので運転中でも見やすいのだ。これだけ使いやすいと、電力が…などとは言っていられない。安全第一、使いやすさ優先だろう。

大きなボディサイズに、よいしょと乗り込みアクセルを踏んだとたんその軽さにびっくりする。この巨体をまったく感じさせない加速感。しかも静か。遮音もさることながら、モーターアシスト恐るべしである。アシスト用の電力が減ってきたときは、チャージモードにすれば充電が可能。そのときは、アクセルの踏みごたえが一気に重くなる。重いといっても、通常のHVモードが軽すぎるのでこんなものかという感じなのだが。

ちなみに、チャージできるのは、バッテリーの約3割までに制限してある。PHVなのだから、基本的にバッテリーへの充電は外部電源からというポリシーからだそうだ。PHVを購入しても結局、外部充電が面倒くさくてHVとして使ってしまうパターンは多いようで、それでは二酸化炭素削減にならない。ボルボのこの“規制”は、まったくもって納得である。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコン パクトカーを中心に取材するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユー ザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. アルファロメオの新型SUV『ジュニア』日本発売に、「420万円はリーズナブル」「マジで美しい」など反響続々
  2. トヨタ車体、『アルファード』『ヴェルファイア』をトヨタに生産移管、いなべ工場は商用車専用に
  3. 「まさにアメリカンスポーツの最高到達点」1000馬力越えの『コルベット』にSNSも注目!コスパ最強ハイパーカー誕生か
  4. クーペSUVに進化! アルファロメオ『ステルヴィオ』次期型を完全プレビュー
  5. 背もたれに貼り付いた子どもたちの頭髪に…学術集会で議論された「ジュニアシートの適正使用」【岩貞るみこの人道車医】
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る