ウニモグ vs. ゼトロス…ダイムラーテストコースで試乗体験

自動車 ビジネス 海外マーケット
ダイムラーテストコース:ウニモグ、ゼトロス試乗
ダイムラーテストコース:ウニモグ、ゼトロス試乗 全 38 枚 拡大写真

ハノーバーモーターショーの期間、ダイムラートラックスが報道陣向けにトラックのテストコースでの試乗走行会を開催した。助手席での同乗試乗だが、車は『ウニモグ』と『ゼトロス』という特殊用途用の大型トラックだ。

ウニモグ、ゼトロスともにダイムラートラックスグループが手掛ける特殊な大型トラックだ。ともに高いロードクリアランス、大きなアプローチアングル、デパーチャーアングル、巨大タイヤ、高出力なエンジン、前進8段、後進8段といったような特殊なトランスミッションに、駆動輪ごとのディファレンシャル、センターディファレンシャル、タイヤ空気の調整機能などが付いた、スペシャルトラックだ。

ウニモグは軍用車両などにも使われるが、ゼトロスはより全長も長く荷台も大きいため、たとえば山岳地帯の消防車(海外では山火事は大きな問題)に利用される。どちらも、トランスファーから出力を取り出すことができ、クレーンやポンプなど特殊な架装にも対応する。

試乗したウニモグは230PS、総重量20トン(積載量5トン)。ゼトロスは330PS、18.5トン。まずは1台ずつテストコースのデモ走行から始まった。コースは60%から80%までの勾配。岩場、悪路を想定した交互に凹凸のあるコース、水没している傾斜路などさまざまだ。運転席より高い勾配110%(47度)という巨大なコブもあったが、プロのテストドライバーはなんなくクリアしていた。

ゼトロスは全長・全幅ともにウニモグより大きいため、振動や車の動きがマイルドだ。乗り心地がいいとはいえないが、不快な振動や揺れ、ジャンプなどはまったくしない。どんな路面にも4輪が接地している感じだ。ドライバーも路面ごとの適切な速度を把握しているからだろう。地面といっしょに車が上下左右に振られるのだが、シートベルトによる安定感とともにむしろ楽しいくらいだ。

ウニモグの試乗のとき、80%勾配では、一度上って降りてきたとき、坂の終わりで停止し、そのままバックで登っていくこともできた。110%の「コブ」は助手席からみるとコンクリの壁なのだが、これもあ前輪さえかかれば問題なく登っていく。

ドライバーは勾配、路面によってディファレンシャルのロックを適宜変えながら、ときにはタイヤの空気圧も調整しながら、どんな道でも(もはや道とは呼べないが)走破していた。各ディファレンシャルはロック率を70~80%まで路面やスリップ状況によって自動調整されるが、さらに厳しいときはコンソールのボタンでロックできるようになっている。

ドライバーに聞いたところ、このテストコースは、ドライコンディションならディファレンシャルをロックする必要はないとのこと。雨やウェットの場合、ロックボタンを操作する必要がでてくるそうだ。

〈取材協力 ダイムラー〉

《中尾真二》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 三菱『デリカミニ』がフルモデルチェンジ!「やんちゃ坊主」感アップ、走りも三菱らしく進化
  2. 【日産 ルークス 新型】「ルークスはパイクカー」開発デザイナーが立ち返った“軽ならではのデザイン”とは
  3. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  4. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
  5. 同じレートでも違う? 直巻きスプリングで乗り味が激変する理由~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る