【F1】曙ブレーキとマクラーレン、提携10周年…技術進化重ねて強まる絆

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左から曙ブレーキの根岸常務、信元社長、マクラーレンのブーリエ氏、バンドーン選手、今井氏。
左から曙ブレーキの根岸常務、信元社長、マクラーレンのブーリエ氏、バンドーン選手、今井氏。 全 8 枚 拡大写真

4日、F1の名門チーム「マクラーレン」と「曙ブレーキ工業株式会社」がパートナーシップ10周年の共同会見を都内にて実施。記念の年の日本GPを前に、技術進化を重ねてきた歳月をレビューし、信頼の絆が一層強まっていることをアピールした。

秋恒例の“日本GPウイーク”に入り、F1ドライバーやチーム関係者たちが続々と来日。例年、この週にF1関連の日本企業や日本法人がプレスカンファレンス、ファンイベント等を実施するのも恒例となっているが、2007年シーズンからパートナーシップを組んでいるマクラーレンと曙ブレーキは、今回その10周年を記念して共同会見を行なった。

マクラーレン側の会見登壇者は、レーシングディレクターであるエリック・ブーリエ氏、シニアエンジニアの今井弘氏(元ブリヂストン)、そして来季はレギュラードライバーに就任することが決まっている現リザーブのストフェル・バンドーン選手(今季はスーパーフォーミュラ参戦中)。曙ブレーキからは代表取締役社長の信元久隆、常務執行役員でハイパフォーマンスブレーキ関係を担当する根岸利行の両氏。

信元社長はF1を含むスポーツカテゴリーへの参戦目的、その原点が「ブレーキのエキスパートとして、自分たちはその本質をどこまで深彫りできているのか」という自問にあることを語った。そして「赤字で大変な年だった」という02年頃から、あえての格好で始めたともいえるスポーツ参戦、MTBのダウンヒルレース~2輪の全日本ロードレース~4輪のニュルブルクリンク24時間レースといった一連の挑戦の成果をまず強調した。

さらに07年から「これまで日本のブレーキが使われることなどなかった」という4輪世界最高峰の舞台=F1に、名門マクラーレンのパートナーとして参戦し、ともに戦ってきた意義と効果についても信元社長と根岸常務は説明。エンジニア育成はもちろん、マクラーレンの市販レーシングカーやハイパフォーマンスカーである「12C GT3」や「P1」などへの採用実績も含め、やはり欧州での曙ブレーキの認知度向上への寄与は大きいようだ。

10年の間には、大小様々なF1技術規定の変化があり、ブレーキ関連では14年からBBW(ブレーキバイワイヤ)の導入というものもあったが、マクラーレンの今井シニアエンジニアは「当初、他チームにはかなり苦労しているところも見受けられましたが、我々マクラーレンは曙ブレーキとの協同開発によって大きな問題なく移行できました」との旨を語り、マクラーレンの曙ブレーキに対する信頼が揺るぎないものであることを示した。

来季17年は技術規定がまた大きめのチェンジを迎えるシーズンであり、ブーリエ氏、今井エンジニア、バンドーン選手らは、そこに全幅の信頼を寄せる曙ブレーキというパートナーとともに挑めることを「幸せに思っています」(今井エンジニア)。

かつてF1を席巻した「マクラーレン・ホンダ」としては復活2年目の今季、成績もパフォーマンスも昨季からは大きく向上。先週末のマレーシアGPでもフェルナンド・アロンソが7位、ジェンソン・バトンが9位とダブル入賞し、チームは上げ潮ムードでホンダと曙ブレーキの母国へと乗り込んできた。日本GPでの好成績はもちろんだが、いよいよ来季は表彰台争いから優勝戦線へ、曙ブレーキという強力なパートナーとともにそれを実現してほしいマクラーレン・ホンダである。

F1日本GPは7~9日、三重県の鈴鹿サーキットで開催される。

《遠藤俊幸》

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