【シトロエン C4 試乗】輸入車で一番安いクリーンディーゼル搭載車…中村孝仁

試乗記 輸入車
シトロエン C4 Feel Blue HDi
シトロエン C4 Feel Blue HDi 全 14 枚 拡大写真

プジョー・シトロエンが一気にクリーンディーゼル搭載車を増強してきた。中でも『C4 Feel Blue HDi』は、輸入車の中では最も安い279万円(税込)という価格設定で、これは輸入車のクリーンディーゼル車としては最も安い。

【画像全14枚】

搭載エンジンは1.6リットルBlue HDi で、エンジン自体はプジョー『308』に搭載されているものと同じである。では何故シトロエンの方がこれだけ安くできたのか。そのからくりはこうである。

現行プジョー『308』が2013年に登場し(本国)、最新鋭のEMP2と呼ばれるプラットフォームを採用しているのに対し、現行シトロエンC4は2010年デビューで、当時採用されていたPF2と呼ばれる1世代古いプラットフォームを採用しているからである。確かに新しいEMP2プラットフォームの出来はすこぶる良く、これをベースとしたプジョー308やシトロエン『ピカソ』の走りも軽快感と快適さを兼ね備えたすこぶる良いもので感心したものである。

翻ってPF2はというと、その時代のプジョーやシトロエンを語る際に出てきたのは、シャシーの良し悪しよりもトランスミッションの不出来(シングルクラッチの電子制御MT)が支配的で、走りの印象はそれだけで好感が持てなかった。ところが今、C4 Feel Blue HDiに組み合わされているトランスミッションは、アイシン製の6AT。その繋がり感もギアリングもこのサイズのもモデルとして最良の出来の部類。しかもエンジンは1.6リットルながら130ps、230Nmのパフォーマンスを持っているから、どこからでも加速するし、そもそもほとんどキックダウンを使わずにするすると加速する。

すでにプジョー308でも報告したが、この1.6リットルは、2リットルのBlue HDiとは異なり前方排気である。このため、ディーゼルとは言いながら、ほとんどそれを意識することなく走ることが出来る。アイドリング時こそ、少しくぐもったディーゼルっぽい音を立てているが、そうはいってもほとんどの場合はアイドリングストップが働いてしまうから、停車中は無音になる。そしていざ発進する時もさほどショックを感じさせずにエンジンをかけ、スムーズに加速し、走り出してしまえばグッとアクセルを踏み込んで加速しない限り、ディーゼルの不快さはまるでない。

否、実際は急加速をしたところで不快さなどまるで伴わず、一般のドライバーがこれをディーゼルと感じるのは、軽油を給油する時ぐらいなもので、何らガソリン車との差はない。クルマを返却する時に給油をしてみたが、360kmほど走ってその代金はたったの2042円。24リットル給油したから、リッター15km走った計算だ。最近ガソリン価格は下がり気味だが、連動して軽油も下がってくれる。場所にもよるだろうが、我が家周辺はハイオクガソリンとの価格差がリッターあたり40円もあるので、まさにお得感満載なのがディーゼルなのだ。

足の話をしよう。最近プジョーに猫足が戻ったとよく言われる。確かにそう。しかし、シトロエンの乗り味はその昔から「大海原を行く巡洋艦のよう」などと表現されてきた。巡洋艦などに乗ったことが無いからその表現が適当かどうかわからない。しかし、大海原を行く大型クルーザーボートといえばそれは当たらずとも遠からずで、常にゆったりと路面をいなしながら走るその感触は、船を想起させる。これは、たとえハイドロを使った魔法の足でなくとも最近のシトロエンが実現しているもので、C4とてその例外ではない。つまり、実に快適で乗り心地が良い。

しかし半面、猫足でいながら鋭いハンドリングを実現しているプジョーほどワインディングは得意とせず、ボディロールは決して小さくない。このあたりにPF2と最新のEMP2プラットフォームの差が出ていると感じた。

また、プジョーではディーゼル音を消してくれるサウンドギミックがSモードに入れた際について来るが、C4はSモードに入れてもそれはない。さらに全車速対応ではないがアダプティブクルーズコントロールが308には付くが、C4はただのクルーズコントロールであるなど、古いがゆえの装備の差もある。ただ、少しでも安くクリーンディーゼル車を手に入れようと思えば、間違いなくこのクルマだ。これより安いクリーンディーゼル車はマツダ『デミオ』だけ。しかし、空間の広さはこちらが圧倒的である。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来38年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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