【トヨタ スズキ 業務提携】両トップ、提携の中身「ゆっくり時間をかけて考える」

自動車 ビジネス 企業動向
トヨタ自動車の豊田章男社長(左)とスズキの鈴木修会長
トヨタ自動車の豊田章男社長(左)とスズキの鈴木修会長 全 1 枚 拡大写真

トヨタ自動車の豊田章男社長とスズキの鈴木修会長は10月12日、業務提携に関する記者会見をトヨタの東京本社で開いた。しかし、まだ“お見合い”の段階で、具体的な中身については何も決まっておらず、両社長とも「ゆっくり時間をかけて考える」と述べた。

業務提携の会見ともなれば、通常、ある程度の大枠が決まった後にするものだが、今回は違った。記者から「具体的な提携の中身を教えてほしい」と質問があったが、豊田社長はこう答えるのみだった。

「今日は先週鈴木会長からお話をいただいたないようについて今後検討していくというアナウンスをした。そのため何も決まっていない。情報技術について話をしたが、今後のエネルギー問題や環境問題を考えると、1社でやれることは限られている。協調や標準化について協議していく」

こんな段階で会見を行った裏にはスズキの事情があると言っていいだろう。GM、VWと別れた結果、自動車業界で中堅規模のスズキは再編の目。なにしろ、インド市場で圧倒的に強く、スズキを魅力に感じている同業者は少なくない。以前、日産自動車のカルロス・ゴーン社長が提携を持ちかけたこともあったそうだ。

そんな状況の中、いつまでも単独でいたらいずれどこかに飲み込まれてしまう。そんな危機感もあり、高齢の鈴木会長はトヨタに働きかけたわけだ。トヨタと提携関係を進めていると発表すれば、スズキはほかの会社からちょっかいを出されずにクルマづくりに専念できるからだ。

しかも、豊田家と鈴木家は関係が深く、スズキが困った時にはトヨタが面倒を見るという代々の申し送り事項みたいなものがある。これまでにもトヨタはスズキを2度救ってきた。そして、今回が3回目となるわけだが、豊田社長は豊田章一郎名誉会長から「修さんに会ったよ」と一言言われだけで、即座に鈴木会長に会い、提携交渉を進める決断をした。

いずれにしても、今回の提携交渉開始という発表は両家の深い絆から生まれた出来事と言っていいだろう。

《山田清志》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 1回あたり300円、10分で施工できる凄技コーティング、洗車機との相性も抜群『CCウォーターゴールド』が選ばれる理由PR
  2. タイヤブランドGTラジアルよりオールシーズンタイヤ「4シーズンズ」発売
  3. ホンダ『イエ GTコンセプト』が初公開、4ドアクーぺEVで中国トレンドに真っ向勝負…北京モーターショー2024
  4. マツダ、電動セダン『EZ-6』世界初公開、24年発売へ SUVコンセプトも…北京モーターショー2024
  5. 【ホンダ ヴェゼル 改良新型】開発責任者に聞いた、改良に求められた「バリュー」と「世界観」とは
  6. ディフェンダー 最強モデル「OCTA」、V8ツインターボ搭載…7月発表へ
  7. スバルとスカイラインにフィーチャー…第4回アリオ上尾 昭和平成オールドカー展示会
  8. アルファロメオ『ステルヴィオ』後継モデルは、大容量バッテリー搭載で航続700km実現か
  9. 中国製部品の急成長で2025年以降日本製の車載半導体は使われなくなる…名古屋大学 山本真義 教授[インタビュー]
  10. 見逃せない! ホイールのブレーキダスト除去術 ~Weeklyメンテナンス~
ランキングをもっと見る