富士重工業は、陸上自衛隊向けとして開発を進めている多用途ヘリコプター「UH-X」の大型モデルを展示していた。ベースとなる民間型の「ベル412EPI」のモデルも並べている。
UH-Xは2機のエンジンを搭載した双発の中型ヘリコプター。人員や物資の輸送に使われる現用の「UH-1」は単発機であり、双発機とすることで機動性と信頼性の向上を図る。UH-Xは双発となるものの、基本的な構造や操縦性能はUH-1と比べても大きな変化はなく、パイロットは現用機と同じ感覚で操縦できるというのがメリットでもある。
ベル412をベースとしたUH-1の機能向上型はアメリカ海兵隊が「UH-1Y」という機種を導入しているが、こちらは強力なパワーを持つエンジンを搭載している。自衛隊は人員輸送が中心でそこまでのパワーを要求しておらず(そして導入予算も厳しく…)、「既存は単発だったものが双発になるだけでもだいぶ違う」というところで落ち着いたようだ。