【佐々木歩夢&下田丈】オンとオフ、日本人初の快挙を成した10代ふたりが初対面

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写真左が下田丈選手、右が佐々木歩夢選手。
写真左が下田丈選手、右が佐々木歩夢選手。 全 29 枚 拡大写真

リオオリンピック・パラリオンピックでも、ティーンエイジャーの日本人アスリートたちの活躍が目覚ましかったが、モータースポーツのカテゴリーにも、その世代で世界のトップに立つ日本人がいる。

今月16歳になったばかりの佐々木歩夢(あゆむ)選手、そして14歳の下田丈選手だ。

まず佐々木選手は今シーズン、日本人として初めて『レッドブル・ルーキーズカップ』でチャンピオンに輝いたオンロードバイクレース界のホープ。ルーキーズカップはMotoGPへの登竜門となっており、このままいけば世界最高峰での活躍は間違いない。

下田選手はアメリカ最大の『ロレッタリン・アマチュア・モトクロス選手権』、そしてデイトナの『SUPERCROSS スーパーミニクラス』を日本人初制覇という快挙を成し、日本のモトクロス界はもちろん全米、欧州からも注目を浴びている。

というのもロレッタリンは、スーパークロスチャンピオンらを輩出してきた大きな大会で、日本人ライダーがここで勝つことは日本モトクロス界の悲願でもあったし、アメリカンライダーからすれば、じつにセンセーショナルな出来事であった。

そんな次世代を担うふたりのライダーが、初顔合わせを果たした。埼玉県川越市にある『オフロードヴィレッジ』にて、トレーニングの一環としてフラットトラックをともに走ったのだ。

世界の頂点を目指すライダーらしく、普段のレースでは隙のないふたりだが、この日のふたりはまったく違った。あどけなさも残るふたり、家族やレース関係者に囲まれ、ピットは終始リラックスしたムード。年上の佐々木選手が会話をリードし、下田選手がはにかみつつ答えるという光景はなんとも微笑ましい。この日が初対面ということで、お互いの印象を聞くと「……」とうつむくあたりも、聞いた記者の心が和む。

しかし、バイクに乗るとグッと距離が近づき、豪快なウイリーを互いに見せ合ったり、完璧なテールスライドを決めるなど、ライディングする姿は圧巻でまさに天才ライダー。手足の如く自在にバイクを操る姿は、見ているほうも楽しかった。

オンロード、オフロードで“日本人初”という快挙を成したふたりだが、来シーズンはさらに大きく飛躍する年になる。佐々木選手はいよいよMoto3へステップアップし、下田選手は名門チーム『ファクトリーコネクション』と契約し、引き続きアメリカでレースにフル参戦する。

この日、ダートトラックで走りを楽しみつつ、互いの目標に向かって突き進むことをふたりは再確認しあった。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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