リチウムイオン電池用主要4部材、シェアトップはいずれも中国

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日産・リーフ リチウムイオンバッテリー(参考画像)
日産・リーフ リチウムイオンバッテリー(参考画像) 全 2 枚 拡大写真

矢野経済研究所は10月20日、リチウムイオン電池(LiB)主要4部材世界市場に関する調査を実施し、その結果を「2016年版 リチウムイオン電池部材市場の現状と将来展望 ~主要四部材編~」にまとめた。

調査は、2016年4~10月にかけてLiBメーカーを対象に、主要4部材(正極材、負極材、電解液・電解質、セパレーター)について、同社専門研究員による直接面談、電話・メールによるヒアリング、ならびに文献調査を併用して行った。

報告書によると、2015年のLiB主要4部材世界市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比18.1%増の70億5043万6000米ドル(約7332億4000万円)と推計。2015年は民生小型機器向けのLiBセル市場が前年に比べ伸び率が鈍化したのに対し、車載用LiBセル市場は特に中国のxEV(HEV、PHEV、EV)市場の急成長を牽引役に大きな伸びを見せている。その結果、LiB主要4部材市場の成長は継続しているが、各部材での金額ベースの伸び率は数量ベースの伸び率を下回る形となっており、年平均での価格のトレンドは下落傾向にあったと推計する。

2015年のLiB主要4部材世界市場(メーカー出荷数量ベース)では、引き続き中国LiB部材メーカーが存在感を高めており、正極材(62.6%)、負極材(75.2%)、電解液(75.3%)、セパレーター(44.8%)といずれも国別シェアがトップだった。2014年までは日本と韓国のLiBセルメーカー側が安価な中国製LiB部材の採用を拡大している点がシェア拡大の要因の1つとなっていたが、2015年以降は中国xEV市場の拡大を背景に、LiB部材の中国国内での内需が大きく伸びた点が数量シェア上昇に繋がったと考える。

2014年から2015年にかけての中国xEV市場の急拡大を背景に、LiB主要4部材の生産能力と実需の乖離は徐々に縮まる方向にある。2016年以降には、中国LiB部材メーカーを中心に生産能力の増強が計画されているが、生産対応が可能なLiB部材メーカーが限られるハイグレード品に関しては、需給バランスがタイトな状況が続いていくと予測する。

《纐纈敏也@DAYS》

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