【新聞ウォッチ】日産ゴーン社長が益子社長留任にこだわった本当の理由

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2016年10月21日付

●三菱自日産傘下入り、ゴーン会長就任、益子社長は留任(読売・2面)

●ポーランドでHV部品生産、トヨタ(読売・12面)

●論点スペシャル、ライドシェア普及するか(読売・15面)

●けいざい深話カローラ半世紀:大衆車とは、追い求めた クルマ離れの時代次の一手(朝日・8面)

●ゴーン氏本紙に寄稿、なぜ三菱自に出資するのか(産経・1面)

●レッズ株の一部、月内売却の方針、リーグ規約抵触撤回で(東京・7面)

●PHV向け大容量電池、トヨタ自社開発へ(東京・7面)

●日産と連携効果400億円、三菱自、ゴーン会長を発表(日経・1面)

ひとくちコメント

日産自動車が三菱自動車の発行済み株式の34%を約2370億円で取得して筆頭株主となり、傘下に収めた。三菱自の会長ポストにはカルロス・ゴーン社長が就任し、辞任の意向を固めていた益子修会長兼社長は、留任に強くこだわったゴーン氏の要請で「社長」を続投する。

ゴーン氏が会長に就任するのに伴い、日産からはすでに三菱自の開発担当副社長に就任している山下光彦氏のほか、専務執行役員の川口均氏と常務執行役員の軽部博氏も取締役に就く。また、日産で世界6地域を統括するチーフ・パフォーマンス・オフィサー(CPO)のトレバー・マン氏が高執行責任者(COO)に就任。益子社長をサポートして経営体制の強化を狙う。

きょうの各紙も、益子社長の留任について取り上げた記事が際立つ。朝日は「益子氏留任『会社の利益』」とのタイトルで、「両氏は記者会見で、信頼回復と連携強化を急ぐ考えを強調したが、益子氏には燃費偽装の責任を問う声も根強い。取引先からは、徹底したコスト削減など、ゴーン氏の『剛腕』を不安視する声も出ている」と伝えている。

産経は「益子社長続投」に「三菱自の負のイメージは容易には払拭できず、再建に向けた重い足かせにもなりかねない」としているほか、東京も「益子氏留任」を見出しに「益子氏留任は『不正企業』のイメージ温存につながる危険性をはらむ」と取り上げた。

では、ゴーン社長は「退任したい」と固辞していた益子社長を強引すぎるほどに続投するように説得したのだろうか。「信頼できる間柄」という人間関係も大きい要因だろうが、それよりも、「これはビジネス。株主の最大の利益を考えれば残るべきだし、円滑な立て直しに必要だ」と述べたところに本音があるようだ。

ゴーン氏の胸の内には日産は、旧安田財閥系の企業が中心の芙蓉グループの一員だが、三菱自を傘下に収めたとで、約600社、総売上高50兆円を超える巨大企業集団の三菱グループとパイプを太くすることもできる。

主要企業29社の会長・社長で組織する三菱「金曜会」のメンバーにも加わることになり、“案内役”として三菱商事出身でグルーブ人脈に精通する益子社長の存在は無視できないと判断したとも思える。

《福田俊之》

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