インドネシア・ジャカルタ郊外で、日本の鉄道会社が初めて複合都市開発事業に乗り出す。
西日本鉄道(福岡市)、阪神電鉄(大阪市)、京浜急行(東京都港区)の3社が三菱商事と共に、政府出資などで設立された海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)と事業会社(SPC)を設立する。
都市開発が行われるのは、ジャカルタ中心部から直線距離で約25キロの郊外で開発が進むBSDシティ(Bumi Serpong Dmai City=ブミ・スルポン・ダマイ)の一部。同地は1989年からインドネシア財閥のシナルマスグループが開発を行っている。3500ヘクタールの土地に人口16万人、住宅と店舗3万5000戸を予定する。このうち1500ヘクタールの一期分は07年に完成し、現在は2000ヘクタール2期分について開発が進んでいる。日本側は2000ヘクタールの中の19ヘクタール約1000戸の開発を、シナルマスグループのBSD社と共に担う。BDS社は資本金8.3兆IDR(=約660億円)、従業員数約4500人の不動産開発会社。17年から着工する。
鉄道会社など日本の事業会社が出資するのは最大100億円。そのうちJOINが最大35億円だが、民間各社の出資割合は明らかにされていない。
BSDシティでは住宅・商業施設のほかに、ジャカルタ首都圏鉄道の電化、ジャカルタ外郭環状道路など首都圏と結ぶインフラ整備も進んでいる。この参画を足掛かりに、日本が得意とする公共交通と一体になった開発をインドネシア全土に広げたいという希望がある。