【BMW X5 xDrive40e 試乗】クラス相応のゆったり感がいい…島崎七生人

試乗記 輸入車
BMW X5 xDrive40e
BMW X5 xDrive40e 全 7 枚 拡大写真

もう何度書いたかわからないが、初代『X5』の姿を初めてみた時のインパクト(大きな声ではいえないが“なんちゃってSUV感”)は未だ鮮烈に残っている。が、今やプレミアムSUV界の大御所であり、もしも紅白歌合戦に出場が決まれば、当然トリを務めるべきモデルである。

そんなX5は実はいち早く2015年9月にPHEVモデルを登場させていた。その前2012年にはBMW初のクリーンディーゼルも設定していたから、ことパワートレーンに関しても先を読んでいるモデルでもある。

今回の試乗車は「X5 xDrive40e」。電気モーターと2リットルツインパワーターボを組み合わせたモデルだ。“40”と聞くと、初代X5や同世代のE39・5シリーズのV8を思い出すが、現代ではエンジン部分は4気筒の2リットル。しかしシステム・トータルで230kW(313ps)/450Nm(45.9kgm)のパフォーマンスを発揮するというから十分といえる。

ちなみに電気モーターのみ(MAX eDriveモード)で最長約31km、120km/hまで走行可能。またモーターがアシストすることで、0-100km/hはわずか6.8秒という。車両重量は試乗車の状態で2400kg、である。逞しいことこの上ない。

実車は電子制御ダンパーが標準装備となっており、これがいい仕事をしてくれ、実になめらかでおっとりとした乗り味を提供してくれる。後発あるいは最新ライバル車はもう少しスパッとスポーティな味つけが多いが、X5のこの“ゆったり感”はクラス相応でいい。

さらにいかなる走行シーンでも、言葉で表現すれば快適なドライバビリティを担保してくれるのもいい。エンジンが入った状態でもラグジュアリー感が損なわれないといってもいい。見晴らし感覚の広い室内は当然、居心地がよく、オーナーはさぞ、BMWのSUVラインのフラッグシップを選んだ満足感を味わえることだろう。

ラゲッジスペースは厳密にいうとガソリン車よりわずかにスペースが減じている(1870→1720リットル)。けれど上下2分割式リヤゲートの実用性はそのままだし、サードシートこそ選べないが、ゆったりとした実用車であることにも変わりはない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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