【三菱 アウトランダーPHEV 試乗】PHEVである以前にちゃんと乗用車である、ということ…島崎七生人

試乗記 国産車
三菱 アウトランダーPHEV
三菱 アウトランダーPHEV 全 6 枚 拡大写真

PHEV(やハイブリッド)である前に、ちゃんとした乗用車、実用車であること。市販車である以上、そのことは外せないどころか、当然の条件。その意味で『アウトランダーPHEV』は合格点を獲得している、と思う。

ボクがいいと思うのは、乗り味が快適だということ。(ガソリン車を含め)初期モデルと比較すると、とくに走行中の音や振動がグッと低められた点がいいと思う。おっとりとしなやかな乗り味にも磨きがかけられている。

三菱車というと『ディアマンテ』など、心地いい系の乗り味のモデルがかつて存在した。が、今はなく、かといって『パジェロ』ではいかにも大袈裟だし…と考える人もいるだろう。となればアウトランダーPHEVがターゲットになる。ちなみに同車のカタログの隅から隅まで目を通したが“SUV”とはどこにも書いていない。それも“普通のクルマ”であることを意味している。

ツインモーター4WDの走りも、きわめてスムースなものだ。アクセルを大きく踏み込めば即座に加速体勢に入るが、ボディの姿勢も見出さず、力強くクルマが前に出る。

インテリアは斬新感より安心感を重視した雰囲気。今から乗り出すクルマとしては、もう少し新しいデザインがほしい。後席の床面がわずかに高くなっているが、これは気になる人には気になるレベルかもしれない。

それとごく個人的には初期型のクリーンなエクステリアデザインのほうがスマートに思えるのだが…。三菱車の今後の動向は気になるところだが、確か“存在感ある力強いデザイン”がコンセプトと聞いた最新のデザインテーマは、路線変更も期待したいところだ(あくまで個人的な意見だが)。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. もしも「タイプ992」が初代911をオマージュした世界線だったら…? ウクライナのデザイナーが再解釈
  2. アプリリア、“鈴鹿未体験”のオールイタリアンチームで3年ぶりの8耐表彰台
  3. 新世代MINI『クーパー』と『エースマン』に全身ブラックの「モノクローム」登場
  4. 「鈴鹿8耐」最注目のヤマハ車は完全新作の『YZF-R9』! 150万円を切るなら「ブレイクの予感」しかない
  5. バイクの外観を損ねない!超強力マグネットのスマホホルダー「フリークマウント2.0」に新色5色
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  4. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る