【マツダ ロードスターRF 試乗】「格好をつける」気持ちを忘れたくない…鈴木ケンイチ

試乗記 輸入車
マツダ ロードスターRF
マツダ ロードスターRF 全 8 枚 拡大写真

人は「格好をつける」という気持ちが必要だ。男性でも女性でも、若くても、年老いてもだ。そうした気持ちがなく、実用一点張りやコストオンリー合理主義一直線に進めば、地味で楽しみのない人生になる。「格好つける」という余分な気持ちがあることで、人生に潤いが生まれ、より輝いて楽しい生活が送れると私は信じている。

【画像全8枚】

そんな気持ちに答えてくれる日本車は、最近、本当に少なくなった。しかし、マツダから嬉しい1台が登場した。メタルトップを備えたオープンカーである『ロードスターRF』だ。

試乗は、ナッパレザーのシートをおごる上級グレードの「VS」。あえてATモデルを選んでみた。

クローズドでは伸びやかなファストバックスタイルの格好よさは文句なし! リヤフェンダーには、カラクリ式のメタルトップを収納させるための無粋な切り欠きは一切ない。オープン状態ではCピラーを残したまま、頭上と運転席真後ろの窓が開放される。多少の包まれ感を残しながらのオープン走行だ。これが、なかなかに具合がいい。

試乗は晩秋で木枯らしの強い夜であったが、風の巻き込みはミニマム。これなら髪の長い女性でも、それほど苦にならないはず。それでいて、オープンカーらしい開放感は十分にある。静粛性も布のトップの普通のロードスターよりも高く、きっと隣席との会話も弾むことだろう。

柔らかなナッパレザーのシートは、よくできたジャケットのように、ぴたりと身体に馴染む。走りだす前からよい気分だ。2リットルエンジンを搭載した走りは、ノーマルのロードスターと違って、軽快感というより、余裕の走りというイメージだ。交通の流れに乗っていれば、シフトアップは3000回転程度で行われる。それでも2リットルのパワーで十分な速さを感じることができる。手こぎのMTのようにバタバタしなくても、思うがままの加速を得られる。

足まわりも若干、コンフォートよりであった。乗り心地がよく、ゆったりと動く。もちろんゆっくりといっても、“スポーツカーとして”というレベル。ロードスターならではの人馬一体感は微塵も変化はない。思い切りアクセルを踏み込んだときの加速感はなかなかのもので、そのサウンドは勇ましく、これも格好のよいものであった。

文句なしの格好よさに、余裕のパワーとコンフォートにふった乗り心地。それでいてロードスターらしい、一体感のある走りも楽しめる。最近の日本車にはない、スペシャリティカーであり、デートの足に最高の1台だ。このクルマがあり、一緒に乗ってくれるパートナーのいる人生は、まさに幸福といえるだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

鈴木ケンイチ|モータージャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
新車のレビューからEVなどの最先端技術、開発者インタビュー、ユーザー取材、ドライブ企画まで幅広く行う。特に得意なのは、プロダクツの背景にある作り手の思いを掘り出すインタビュー。

《鈴木ケンイチ》

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