運輸、旅行、宅配、映画…サービス業界の現場を大学内で体験

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千葉商科大学
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日本航空やジェイティービー、ヤマト運輸など、57社の“サービス現場体験”を取り入れる千葉商科大学サービス創造学部が、カリキュラム概要を発表。経産省「産学連携サービス経営人材育成事業」に採択された同学部のビジョンなどを伝えた。

同学部は、科目区分とは別に、「学問から学ぶ」「企業から学ぶ」「活動から学ぶ」の3つの学びによってサービスを多面的にとらえ、新たなサービスを創造する人材を育成。学問や企業といった領域を超え、現場体験やプロジェクト起動などを通じ、日本のサービス産業を担う人材を輩出。同学部「インキャンパス・サービスビジネス・ラーニング」事業が、経産省平成27年度「産学連携サービス経営人材育成事業」に採択された。

「いまの教育に足りてないのが、刺激」と語るのは、同学部長の吉田優治教授。「産学連携サービス育成事業は、ことしで2年目。経産省は、人材育成関連施設を全国50か所に展開する構えで、千葉商科大学サービス創造学部が、その大学モデルとして選ばれた。リアルビジネスを学外で学ぶんじゃなくて、学内で学べるようになった」。

「たとえばJAL。いずれは日本航空を千葉商科大学の“オフィシャルエアライン”にしたいとも考えている。卒業して営業マンや出張ビジネスマンになっても、JALとの深い関わりが続くような仕掛けも考えている」

「宅配ビジネス界では、まだ大学内に荷物受付カウンターを置いた実績がない。でも、大学生は自宅にいる時間が少ないので、荷物の集荷・再配達などの回数が多くなる。であれば、大学内にカウンターを設置して、荷物の受取り、発送ができないかと。実現できれば、再配達コストもおさえられる」

資生堂やヤフー、タリーズコーヒージャパン、佐川急便、ジェイアール東日本都市開発などのビジネスパーソンを招き、学生たちと“サービス”をいっしょに考えるプログラムを継続的に実施してきた同学部。この夏には、カスタムカービジネスを手がけるムーンオブジャパン菅沼繁博社長が、「モノではなく、夢を売る“HOT ROD”で駆けぬけた30年」と題した講義を展開。日本とアメリカで営むクルマビジネスの実情を伝えた。

また吉田学部長は、「映画を見ながら刺激を受けてほしい。映画を通してグローバル化が進む海外のいまを学生に体感してもらいたい。また6000人の学生がいるキャンパスをマーケットとしてとらえ、企業にリアルなビジネスに取り組んでもらい、そこからもわれわれは学びたい」という想いから、「映画興行ビジネス」をテーマにした全8回の特別講義を10月末に開講した。

この特別講義では、新作2本・旧作1本の映画鑑賞や、イオンエンターテイメント牧和男社長ら、業界を代表するビジネスパーソンが登壇する。イオンシネマ84劇場を運営し、国内最多709スクリーンを展開するイオンエンターテイメントは、映画館入場者数の伸び悩み、家庭で映画鑑賞ができるVODサービスの拡大、若い世代の洋画離れといった映画業界の厳しい現状がある。こうした低迷の起爆剤として、シネコン業界初の「シネマ教育事業」に乗り出す。

「教員も学生も学ぶ。企業から学ぶ。企業もキャンパスマーケットを開拓できるチャンス」(吉田学部長)

《レスポンス編集部》

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