米国のホンダエアクラフトカンパニー(ノースカロライナ州グリーンズボロ)は、小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」の生産を、今後3年で現状設備でのフル生産に当たる年間80機に引き上げる。
同社の藤野道格社長が11月12日までに、本社でのメディア各社の取材で明らかにした。15年12月に米国で顧客への引き渡しが始まった同機は、現在月間2~3機の生産ペースとなっている。組み立て工程で約600人が在籍する従業員の技能向上や、サプライヤーからの部品の品質レベル安定化といった課題をこなしながら、徐々に生産量を引き上げている。
藤野社長は、当面の生産拡大について「16年度中には月間4機、17年度の終わりごろには5機にもっていきたい」と述べた。そのうえでおおよそ3年でフル生産の年80機に引き上げる方針を示した。タイミングとしては「18年度から19年度にかけて」と想定している。
ホンダジェットは、乗員を含め7人乗り。主翼上面にエンジンを配した独自の設計で、クラストップの巡航速度や航続距離、燃費性能などにより、高い競争力を確保している。価格は450万ドル(約4億8000万円)。
これまで北米、欧州、中南米で販売活動を行っており、100台を超える受注を得ている。今後は、「1、2年内にアジア・オセアニアと中東にも販路を広げる」(藤野社長)計画であり、生産の着実な引き上げを図っていく構えだ。