【ミラノショー16】ザガートにピニンファリーナ…カロッツェリア作品も2輪ショーに華を添えた

モーターサイクル 新型車
MVアグスタF4ザガート
MVアグスタF4ザガート 全 28 枚 拡大写真

11月8~13日にミラノ(イタリア)で開催されたEICMA2016(ミラノモーターサイクルショー)。ここではふたつの老舗カロッツェリアの作品も見ることができた。ザガートはワンオフモデル、ピニンファリーナは新しい電動自転車を展示している。

MVアグスタのブースに展示されたのは、日本人実業家の依頼でザガートがデザインしたワンオフモデル、『F4ザガート』。メインのフレームや駆動系メカニズムは基本的に、ベースとなった『F4』そのままで、保安部品や規制に対応したマフラーを装着するだけで公道走行が可能になるとのこと。

独創的なカウル形状とツートーンカラーの塗り分けに目が行くが、これは「人が跨がったときにデザインが完成することを意図したものです」と原田則彦チーフデザイナーは説明する。

具体的には「ライダーが跨がってハンドルを握ったときの背中の角度と、カウル側面の赤い帯状の部分が平行になるようにしました」とのこと。また背中の線をそのまま下に延長すると、ちょうど後車軸のあたりに到達するようにすることで、美しいプロポーションを実現したという。

「好き嫌いはハッキリと分かれるでしょう。でも、それがザガートです。デザインを私たちに依頼してくれたということは、どこかで見たことのあるようなデザインでは意味がないと思っている、ということだと理解しました」と原田氏は述懐する。

しかし同時に、MVアグスタのデザインを否定するものでもいけない。独善を防ぐために、デザイン案が決まった段階でMVアグスタの経営陣にプレゼンテーションをおこなったが、ここでは非常にポジティブな反応が得られたという。

それだけではない。今回の展示がMVアグスタからの依頼で実現したという事実は、独創的ながらもMVアグスタというブランドのイメージを毀損するものではなく、むしろブランドの世界観を拡張することに貢献するデザインだと認められている、ということの証明ではないだろうか。

いっぽうピニンファリーナは、自社ブランドでの発売を予定している『E-VOLUTION』(Eボリューション)を展示。これは今年8月にフリードリヒスハーフェン(ドイツ)で開催された国際自転車ショー「ユーロバイク2016」で初公開されたものだ。

この電動自転車はピニンファリーナと、さまざまな電動自転車を手がけるディアヴェロの協業で誕生した。ピニンファリーナによれば「スポーティなキャラクターとエコフレンドリーな心を持つ、ピニンファリーナ初の電動自転車」だという。

ただしピニンファリーナではこれまで、フォリセリエ(少量限定生産)のモデルは手がけたことがあるため、「初の量販モデル」と言ったほうが正確だろう。

開発プロジェクトにおけるキーワードは「インテグレーション」(統合)で、スタイリングも完全にこの言葉に従っている。電気系のケーブルやメカニズムはすべてフレームの内側に取り回され、モーターカバーや脱着可能なバッテリーも、フレームと一体化したかのように見えるシンプルな形状を採用しているのが特徴だ。

前照灯はヘッドチューブ、サイクルコンピュータの表示画面はトップチューブ前方にレイアウトされているが、これらも突出せず一体化させている。角断面のフレームをはじめハンドルバー、シートポスト、フォークなど車体を構成する部品、それにホイールリムはカーボン素材で製作され、わずか16kgという超軽量車体を実現した。

なおモーターはブローゼ、バッテリーはパナソニック製を採用。変速機はシマノ。Eボリューション は「エレガンス」「ハイテク」「ダイナミック」という3つの仕様が設定され、製造と販売はアジア・キングストン社(中国)が手がけることになっているという。

《古庄 速人》

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