【VW ザ・ビートル R-Line 試乗】デザイン、性能、装備を含め実はお買い得…青山尚暉

試乗記 輸入車
VW ザ・ビートル R-Line
VW ザ・ビートル R-Line 全 9 枚 拡大写真

『ザ・ビートル』が新しくなったのを機に追加されたグレードが「Rライン」。

これまで先代『ゴルフGTI』用のエンジンを積む2.0 Rラインは存在したのだが、このRラインはゴルフや『パサート』、『トゥーラン』などに積まれる標準系最新の1.4リットルターボ 150ps+7速DSGを搭載。

Rラインらしさとしては、専用の前後バンパーデザイン、デュアルエキゾースト、リヤスポイラー、17インチタイヤ&アルミホイールなどを採用。スタイリッシュさに一段と磨きをかけている。さらにインテリアに至ってはシリーズ最上級のザ・ビートル2.0 Rラインと共通になっているのだからたまらない!

しかもブレーキエネルギー回生システムの効果によってモード燃費は1.2リットルの17.6km/リットルを凌ぐ18.3km/リットルを達成。ビートル史上最上級のモード燃費を手に入れたわけだ。

パサートやトゥーランを余裕で走らすダウンサイジングターボの1.4リットルターボユニット搭載ゆえ、動力性能は1.2リットルターボと比べ物にならない。トルクは1.2リットルの17.8kgmに対して25.5kgmもあるから、圧倒的な加速力を誇ることはもちろん、より低い回転数で走れるため、クルージング中のエンジンノイズはごく低く抑えられ、静か(ロードノイズは1.2リットルの16インチより大きめだが)。

しかし、もっとも1.2リットルモデルとの違いを感じさせるのが、17インチタイヤ装着による操縦性、フットワークだ。プラットフォームの世代が違いながら、それこそ最新のゴルフ7ハイラインをほうふつさせるステアリングのキビキビかつウルトラスムーズな応答性、操舵フィール、そして軽快感に富み、速度を上げるほどにスポーティーになるフットワーク、しなやかさ極まる乗り心地を示してくれる。

もし1.2リットルターボのベースモデルと直接比較すれば、まったく別物のクルマに感じるほどだ。

ザ・ビートルはVW最新のMQB以前のモデルゆえ、先進安全装備に物足りなさがあり、平均燃費計などのインフォメーションがすべて英語表記となるなど、やや古さを感じさせるものの、このRラインの、少なくとも走りに関してはVW最新基準。

熟成されたザ・ビートルをボクが今買うなら、迷わずRラインを選ぶ(自身、ゴルフ7ヴァリアント ハイラインを所有してますが)。1.2リットルの「ザ・ビートル デザイン」より24万6000円高いものの、こちらは内外装ともに専用でスポーツシート、リヤスポイラーなどが備わり、先進安全装備のブラインドスポットディテクション、リヤトラフィックアラートが標準装備され、なおかつエアコンが2ゾーンフルオートになり、シリーズ中唯一アイドリングストップ機能がつくなど、実質的な価格差はけっこう小さい。つまり、デザイン、性能、装備を含め買い得なのは、実はRラインなのである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
ペットフレンドリー度:★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージングデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との快適・安心自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ムック本「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)好評発売中。

《青山尚暉》

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