【アメリカズカップ】ランドローバーBARの本戦用ボート、新型 ディスカバリー の技術応用

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新型 ディスカバリー の技術を応用し開発中のランドローバーBARのアメリカズカップ本戦用ボート
新型 ディスカバリー の技術を応用し開発中のランドローバーBARのアメリカズカップ本戦用ボート 全 6 枚 拡大写真

11月19~20日、国際ヨットレース「ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ」予選シリーズ最終戦、福岡大会を制し、シリーズ1位を決めた英国の「ランドローバーBAR」。すでにアメリカズカップ本戦に向けて新型レーシングボートを開発中だ。

ランドローバーのエンジニアは、このコードネーム「R1」と呼ばれるボートの開発過程において、業界初の空力テストを実施。水中でも水上でもボートがスピードを発揮できることを目的に、パフォーマンスの新たな領域を研究している。

具体的には、新型『ディスカバリー』などの車両開発で得たエアロダイナミクスの知識とコンピュータ技術を生かして、高さ77フィートの巨大なウイングセールの開発を進める。チームは高機能のソフトウエアをつくり、1回のテストごとに8000万もの計算セルを解析し、ウイングセールの動的性能を詳しく調査すること狙う。

このソフトウエアは、FSIと呼ばれており、ボートのウイングのパフォーマンスを向上させるための空力テストアプローチと、その変形に関する構造解析を組み合わせている。FSIシステムは、ウイングの構造とその周囲のエアフローを解析する個別のソフトウエアからのデータを処理する。ランドローバーによると、この情報を組み合わせることがカギとなるという。

例えば、ウイングを覆う「Clysar」というフィルムは自然の力によって曲がり、ボートの速度に影響。こうしたプロセスを組み合わせることで、チームはウイングのエアロダイナミクスと構造的な動体力学の相互作用をより深く理解し、新しいエアフローやウイング形状の変更を評価できるようになるという。

ジャガー・ランドローバーのリサーチ部門を統括するトニー・ハーパー氏は、「このエンジニアリングプロセスは、ジャガー・ランドローバーで高速走行時に車両がどのように反応するかを評価する際の過程と似ている。目的は、車両の部品を変形させる空力の影響を最小限に抑え、燃費を向上させることにある」と述べている。

アメリカズカップ本戦用レーシングボートは2017年初頭、第35回アメリカズカップの開催地、英国領バミューダで発表される予定。バミューダでは5月26日~6月5日にチャレンジャー選抜レース、7~12日にチャレンジャー決定レースが開催されて挑戦チームを決定、カップ保有チームのオラクル・チームUSAと戦うアメリカズカップ本戦は17~27日に開催予定だ。

《森脇稔》

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