11月12日に埼玉県北本市の北本総合公園野球場で行われた「クラシックカーフェスティバルin北本きくまつり」。ここではトヨタ、日産以外でちょっと気になった往年の名車や珍しい車両をピックアップしてみた。
真っ赤なボディでひときわ目に付いたのは、1969年式のいすゞ『ベレット1600GT』ファストバック。1600GTのスポーツクーペをファストバックにしたもので、後部シート背面が可倒式となりトランクと直結している。受注生産制だったこともあってその数は非常に少なく、かなり珍しい。『117』クーペ発売までの数年、これがいすゞのスペシャリティーカーだった。その117クーペは1972年式が展示されていた。「ハンドメイド・モデル」と通称される、シンプルながら美しい形をした初期型だ。
スバルは1969年式の『1000』スポーツセダンが存在感を見せていた。富士重工業初の小型車であり、前輪駆動(FF)&水平対向エンジンという現在のスバルがうたう「シンメトリカルAWD」のルーツである。このスポーツは、三国工業製のソレックスタイプのツインキャブレターを装着している。これに続く1978年式の『レオーネ1600 4WD』4ドアセダンは、世界初の量産4輪駆動乗用車だ。また1985年式の「レオーネ1800GTターボ」セダンは、今も純正エアサスが生きているという希少車(!?)である。
ノーマルにブルーのペイントを施すなどアメリカンな仕様にしていたのは、1975年式の三菱『デボネア』。22年間にわたって基本設計やデザインを変更することなく生産され、”走るシーラカンス”とも呼ばれたモデルだ。1978年式の『ギャラン・ラムダ』と1976年式の『ギャランGTO2000GS-R』も現役バリバリ。1978年式『ランサー・セレステ』はワンオーナーで、オリジナルの状態を現在も保っていた。
このほか、東洋工業(現マツダ)がかつて生産していた小型三輪トラック(オート三輪)『T1500』(1963年)や、世界初の実用・量産ロータリーエンジンを搭載した『コスモスポーツ』(1969年)の後期型、リアエンジン・リアドライブの日野『コンテッサ1300』セダン(1966年)とクーペ(1965年)、ダイハツが初めて生産した乗用車のオープンモデル『コンパーノ・スパイダー』など個性的な車両があった。