【日産 ノートe-POWER 試乗】専用モデルではないのが何とも惜しい…島崎七生人

試乗記 国産車
日産 ノート e-POWER メダリスト
日産 ノート e-POWER メダリスト 全 9 枚 拡大写真

何とも惜しいのは『リーフ』のようにオールニューの専用モデルではない点。いち早く世に出し認知されることが重要とはいえ、開発エンジニアもそう思っただろうし、このクルマを買ったオーナーもそう感じるのでは? それくらい「e-POWER」はよく出来ていると思った。

始動ボタンを押すとリーフのような起動音はなく(あってもいいと思う)、シフトを入れアクセルを踏むと、おもむろにクルマは走り出す。「メダリスト」はバルクヘッドとドアガラス(前)などの遮音を手厚くしているそうで、“ミーン!”といったモーター音や特有のメカ音はあまり気にならない。

そこから加速を試すと、1220kgとリーフより軽量かつコンパクトなクルマだから、もたつくことなくスピードを上げる。そこからさらに加速していくと、状況次第で発電用のモーターを駆動するためにエンジンがかかる。さらに「Sモード」に切り替えると、加速は俄然、力強さを増す。

100%モーターで走りながら、場合によってエンジン音を耳にしながらの走行。エンジンは発電のためにもっとも効率よく回るように制御され、その回転数は2200~2500rpmあたりだそう。アクセル操作にリニアに呼応する訳ではないが、急加速時などは、通常のガソリン車でいうとエアコンをONにした時にアイドリング回転が少し上がる…、そんな感触の変化は伝わる。

「Sモード」と「ECOモード」では回生が強まり、アクセルのみで加速と減速の操作ができる。アクセルを戻した際の減速GはEVならではだが、その強さは体感的にはBMWの『i3』の半分程度といったところか。街中などでアクセルワークを会得すれば便利かもしれない。

試乗車はメダリストで、本革ステアリングや上級仕様のシート表皮などが奢られていた。高電圧バッテリーは前席床下に上手く収められ、後席の爪先にはガソリン車と変わらない余裕が確保されている。

200万円を大きく下回る価格設定はとにかく身近。こだわり派にはセンスを効かす「オーテック」の“モード・プレミア”が早速、用意されている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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