EVレーシングカーは静かではない!! 東京都心でフォーミュラEデモ走行

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フォーミュラE東京丸の内デモラン(11月23日)。マシンはABT Schaeffler Audi Sportチームの「ABT Schaeffler FE02」、ドライバーは同チームのルーカス・ディ・グラッシ選手。
フォーミュラE東京丸の内デモラン(11月23日)。マシンはABT Schaeffler Audi Sportチームの「ABT Schaeffler FE02」、ドライバーは同チームのルーカス・ディ・グラッシ選手。 全 14 枚 拡大写真

キュキュキュイーン、ウィッウィッウィー!! ふだんはビジネスパーソンが行き交う東京都心丸の内の仲通りを、FIAフォーミュラE選手権に参戦中の現役マシンが走った。

デモランは、11月23日に東京都心丸の内で開催された「エコロジー&モビリティフェア in 丸の内」のメインイベント。マシンはABT Schaeffler Audi Sportチームの「ABT Schaeffler FE02」、ドライバーは同チームのルーカス・ディ・グラッシ選手。グラッシは昨シーズンの選手権でドライバーズポイント2位、F1の経験もある。

フォーミュラEは、国際自動車連盟(FIA)が、2014年に立ち上げた世界初の電動フォーミュラカー選手権だ。10月から2017年7月まで、シーズン3の全12戦を世界各地で開催している。

デモランの前には、元F1ドライバーの片山右京氏と、モータージャーナリストの飯田裕子氏によるトークショーが開催され、EV技術の進化、世界のモビリティ、フォーミュラEなどについて語った。

飯田氏は、車が2台できた時からレースは行なわれている、という。「EVがブームになって、それで競走しよう、と。内燃機関の販売禁止を検討している国もあり、たとえばアウディは、耐久レースから撤退してフォーミュラEに参戦し、そういった時代に備えている」と、モータースポーツは変わってきている、と話す。

フォーミュラEではバトルもあり、意外とレースができている、と解説するのは元F1レーサーの片山氏だ。「さらにこの先はわからない。技術が発達してエネルギー効率が向上し、エネルギーが“オープン”になった時、新しいモンスターマシンが誕生するのではないか。怖いぐらい、わからない。違う惑星を目指す宇宙旅行にも似ている」とEVレースに期待する。

そしてグラッシ選手によるデモラン。音は電動ラジコンの音を何百倍も大きくした感じ。けっして静かではない。片山氏はその音をジェット機に例えた。たしかにF1が往復(レシプロ)エンジンであるのにたいし、電気モーターはジェットエンジンと同じ回転機関だ。ビルの谷間では全開走行は無理だったが、マシンをゆっくり見るぶんにはいい速度だ。それでも仲通りの石畳にスキッドマークを残すほどの加速を披露した。

デモラン後にグラッシ選手は、今回のイベントについて、電気自動車の未来に向けて正しい方向に踏み出したと評価する。「モータースポーツと自動車メーカーは緊密にリンクしている。メーカーは、将来の技術として電気自動車の発展が必要だと信じているから、レースに参加する」。

同時にグラッシ選手は、モータースポーツとしてエキサイティングだということも示せた、と喜ぶ。「私はレースが好きで、アドレナリンを楽しんでいる。同時に、より良い未来を作る手伝いもしている。人々に前向きのメッセージを発するシリーズに参加できることを誇りに思う」。

これでフォーミュラEの日本開催に期待が高まる。グラッシ選手も「技術先進国の日本にふさわしいイベントだ。東京はこれだけ人が多いメトロポリスなのに実にきれいな街だ。今日のデモランが実現に向けての第一歩になるだろう。実現したら私も参加したい」と期待するが、「寿司が好きだから(笑)」とも。

「エコロジー&モビリティフェア in 丸の内」は、エコロジーと都市の未来を語り合い、次世代のパーソナルモビリティに触れ、エコロジーとモビリティの融合を考えるきっかけを多くの人々に提供するイベントだ。フォーミュラEデモ走行のほか、ステージショーやパーソナルモビリティ試乗会などが開催された。主催はエコロジー&モビリティ フェア in丸の内実行委員会。

[おわびと訂正] フォーミュラEマシンの日本でのデモランは、今回が初めてではありませんでした。

《高木啓》

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