【三菱 デリカD:5 試乗】とにかく、ガッシリ感が違います…竹岡圭

試乗記 国産車
三菱 デリカD:5 ローデスト ロイヤルツーリング(左)とシャモニー(右)
三菱 デリカD:5 ローデスト ロイヤルツーリング(左)とシャモニー(右) 全 16 枚 拡大写真

「え~っ!? 45度の坂を登れちゃうの?」あのCMを見るたびに驚かれている方、いらっしゃると思います。そうなんです、普通のミニバンだと、アコだのオナカだの擦っちゃったりして登れないんですよね。もちろん力強さ、トルクの太さも言うまでもないですけど。

そしてもっと驚くのが、傾いた時にもガッシリしてるってこと! 普通のミニバンだと、急角度で傾けるとどうしてもボディが捩れちゃうんです。捩れちゃうから、スライドドアやバックドアが開閉しにくくなっちゃうんですけど、デリカD:5は傾いた状態でも、バックドアはもちろん、電動でスライドドアが開閉できちゃうほど、ボディがガッシリ! 正直言って、私は坂を登れるのもスゴイとは思いますが、実はこちらの方がスゴイ! と密かに感動してるくらいの、他にはない性能なんですよ~。

その秘密は「リブボーンフレーム」。恐竜の肋骨のような構造になっていて、背の高い箱型のボディとは思えないほど捩れ感がないんですよね。とにかく、ガッシリ感が違います。

このリブボーンフレーム、ボディがしっかりしているぶん、走りのしっかり感に貢献しているところがまたイイんです。ボディがしっかりしていないと、足回りもしっかり動かないのは言うまでもないですが、全体的な安定感だって全然違います。特に4WDモデルの安定感の高さは、思わず目を見張るほど。

ダカールラリーを伴走車として走り切ったという悪路走破性、苛酷な環境に耐えうる性能を有していますから、日常生活の中でのちょっとした非日常シーン、例えば突如襲ってきたゲリラ豪雨の高速道路なんていうシチュエーションなんて、お茶の子さいさい。もちろんタイヤのポテンシャルを超えてしまってはNGですが、そこまでの範囲ならば安心してクルージングできます。

さらに、これからウインタースポーツシーズンになります。刻々と変わる路面状況、雪道の深いワダチ…。SUVの『アウトランダー』(先代モデル)をベースに作られたミニバンなので、アプローチアングルやデパーチャーアングルもたっぷり取られていますので、安心感がまったく違います。普通のミニバンが深いワダチでオナカが使えて亀の子状態になっちゃった~! なんていうところでも、グイグイ行けちゃうんですよ~!

さて、今回乗ったのは、どちらもクリーンディーゼルエンジンモデル。特別仕様車の「ローデスト ロイヤルツーリング」と「シャモニー」です。まぁ、イマドキの洗練されたディーゼルエンジンとは違い、音色はいかにもディーゼルっぽい音は聞こえてきますけど、性能的にはクリーンさを含めて、まったく問題ないですし、デリカD:5のスタイリングや真骨頂を発揮するシーンを思い浮かべると、それもまた味に思えてくるから不思議です。でも、そんな野性味あふれる走り味とは一変、室内はイマドキの上質感を感じられるものに彩られていますから、最近のミニバンに慣れちゃってる人もご心配なく、ですよ。

そして、LLクラスミニバンよりも少し短い全長だからこその取り回しのよさや機動力の高さ、それなのにもかかわらずシートがしっかりしているからこその乗り心地のよさも魅力。やっぱり、老舗とかロングセラーとか言われるものって、本物の性能を持っているんですよね。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

竹岡圭|モータージャーナリスト・タレント
「クルマ&カーライフは楽しくなくっちゃネ!」をモットーに、さまざまな媒体で「喋って・書いて・走っ て」を実践する女性モータージャーナリストとしてカーライフ全般を女性の視点からレポートする。モータースポーツでも、耐久レースやラリーレイドなど数々 のレースに参戦するなど、硬軟幅広く携わる。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J.)理事、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

協力:三菱自動車

《竹岡圭》

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