バイクで自転車を押し、踏切事故を誘発した少年に懲役4-6年の不定期実刑

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昨年3月、兵庫県尼崎市内でバイクを運転中に16歳の男子高校生が乗った自転車を足で押し、踏切事故を誘発させたして、傷害致死罪に問われている17歳の少年に対する裁判員裁判の判決公判が8日、神戸地裁で開かれた。裁判所は懲役4-6年の不定期実刑を命じている。

問題の事故は2015年3月28日の午後5時ごろ発生している。尼崎市南清水付近にあるJR福知山線の踏切で、警報機や遮断機が作動している踏切に16歳の男子高校生が乗った自転車が進入。直後に通過した快速列車と衝突し、高校生は死亡した。

高校生が乗る自転車と併走していたバイクがあり、このバイクを無免許で運転していた17歳の少年が自転車のサドルを足で押しながら走行していたことが後に判明。バイクは約50km/hまで加速しており、自転車もこれに近い速度で走行していたためにブレーキ能力が追いつかず、事故に至っていたこともわかった。神戸地検尼崎支部は傷害致死の非行事実で家裁に送致。家裁は今年1月に逆送(検察官送致)し、同支部が傷害致死と道路交通法違反(無免許運転)の罪で起訴していた。

これまでの公判で少年側は「被告に被害者を傷つける意図は無かった。痛ましい結果となったが、押される行為には被害者の承諾があった」などと主張していたが、8日に開かれた裁判員裁判の判決公判で神戸地裁の佐茂剛裁判長は「被害者は"怖い" と大声で繰り返し叫んでおり、被害者に承諾や落ち度があったとは認められない」と指摘した。

その上で裁判長は「押し始めた時点で踏切の警報音が鳴っていた」と認定。「警報音を認識しながら押し続けるなど、被告は他人の生命、身体への配慮を著しく欠いていた」として、被告に対して懲役4-6年の不定期実刑を言い渡している。

《石田真一》

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