フリッパー型全方向移動クローラーを装着した水中探査機、海中試験に成功

船舶 テクノロジー
フリッパー型全方向移動クローラーをROVに装着した試作ユニット
フリッパー型全方向移動クローラーをROVに装着した試作ユニット 全 1 枚 拡大写真

トピー工業は、日産自動車、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と共同で実施した、フリッパー型全方向移動クローラーをROV(遠隔操作型潜水機)に装着した試作ユニットの、海中試験に成功したと発表した。

試作ユニットは内閣府が進める戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の課題の一つである「次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画)」での海洋資源探査で活用するためのもの。

トピー工業は、JAMSTEC、日産とクローラーロボットの高効率操作技術に関する共同開発契約を締結して、2015年4月から試作ユニットを開発してきた。今回、トピー工業が開発したフリッパー型全方向移動クローラーは、試作ユニットの姿勢を変えることなく前後左右に移動することが可能。移動機構は機体の姿勢角度を自由に変更できる機能も持つ。

海底での資源調査時、既存のROVはスラスター(プロペラタイプの水中推進システム)による遊泳移動の機能しか持っておらず、着底後の位置調整や機体の姿勢を調節することが困難だ。今回開発したフリッパー型全方向移動クローラーにより、海底でサンプリングに最適な地点へセンチメートル単位で移動が可能で、起伏が大きい海底に合わせて機体の姿勢を自由に調整できるようになったことで、海中試験において高精度なサンプリングを実現する。

トピー工業のクローラーロボットはこれまで、東日本大震災後の福島第一原発の建物内での調査に活用され、ここで培ったクローラー技術を応用展開し、不整地や狭隘部における効率的な移動機構を追及。この結果、フリッパー型全方向移動クローラーを開発した。

移動機構はエネルギー効率が優れ、移動の位置決め精度も高いことからサービス分野や農業分野など、労働力が不足している産業に向けた自動走行ロボットの移動機構としても応用が可能。

今後、小型から大型までの全方向移動クローラーモジュールのラインナップを充実させ、幅広い分野での活用に向けた開発を推進する。

《レスポンス編集部》

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