助手席に置いた携帯電話に気を取られて死亡事故を起こした女に実刑判決

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今年4月、岐阜県土岐市内の県道で乗用車を運転していた際、車道部分に座り込んでいた20歳の女性をはねて死亡させたとして、過失致死の罪に問われた31歳の女に対する判決公判が22日、岐阜地裁多治見支部で開かれた。裁判所は禁錮9か月の実刑を命じている。

問題の事故は2016年4月6日の午後9時ごろ発生している。土岐市土岐口付近の県道(片側1車線の直線区間、横断歩道と信号機なし)で、クルマに轢かれたネコを救助しようと車道部分に座り込んでいた20歳の女性に対し、進行してきた乗用車が衝突。女性は頭部強打などが原因で死亡した。

クルマを運転していた31歳の女は「助手席に置いていたスマートフォン(携帯電話)に気を取られ、前をよく見ていなかった」などと供述しており、検察は自動車運転死傷行為処罰法違反(過失致死)の罪で起訴していた。

被告弁護側は「路上に人が座りこんでいる行為に予見性はなく、夜間の現場は見通しも悪かった」、「スマートフォンは助手席に置いてあり、操作中に事故を起こしたわけでもない」などと主張していたが、22日に行われた判決公判で岐阜地裁の鈴木雄輔裁判官は「被告は助手席に置いたスマートフォンに気を取られ、前方注視を怠ったことが事故の主因」と認定するとともに、「被告に緊急を要する用事はなく、基本的な注意義務を怠る正当な理由は無かった」と指摘。「将来ある若者が突然に命を奪われた無念さは筆舌に尽くしがたい」として、被告に対して禁錮9か月の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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