【オートモーティブワールド2017】ボッシュのFOTAは、スクリプトでデプロイ手順を指定可能
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FOTA(Firmware on the air)は、ECUや各種デバイスに内蔵されたファームウェアをネットワーク経由でインストール、更新することだ。PCやスマートフォンでは一般的に行われているOSのアップデートを、車載コンピュータでも同じようにできるようになる。
なぜこれが重要かというと、例えばリコールなどでファームウェアの更新が必要なとき、わざわざディーラーに車を持ち込まなくてもアップデート(=改修)ができるようになるからだ。ファームウェアを二重に用意したシステムなら、走行中のアップデートも不可能ではない。
また、車載器、ECU、センサーなどがネットワークにつながるということは、これら機器も複雑化し、より汎用的なコンピュータに近くなることを意味する。これは搭載されるソフトウェアやファームウェアの複雑化にもつながり、ネットワークにつながることと相まって、セキュリティのリスクも高まる。
ECUやセンサーも、PCのようにセキュリティアップデートが避けられなくなる。このようなアップデートは、ドライバーが意識せずともメーカーがリモートで行ってくれるはずだが、このときFOTA機能が実装されている必要がある。
ボッシュが提案しているFOTAソリューションの特徴は、CAN上の専用ゲートウェイにセキュリティモジュール(HSM)とFOTAの管理機能を実装することだ。HSMより、偽のアップデートファイルによる攻撃やハッキングに対処できる。ゲートウェイ内のFOTAは、単に指定のデータを置き換えるだけでなく、スクリプトによって記述された更新手順によって、きめ細かい更新シナリオを制御できる。
《中尾真二》