1月21日、東京・虎ノ門のToo本社で「C&Tミーティング2017」が開催された。日本の自動車メーカーやサプライヤー、デザイン会社のデザイナーたちが参集する、いわば「日本カーデザイン界の新年会」とも言うべきイベントで、今回が38回目となる。
C&Tミーティングは、Tooグループの中でクレイモデルに関する材料やツールの開発・販売を手がけるトゥールズインターナショナルと、カースタイリング誌による実行委員会が主催。会場ではカースタイリングが毎年12月末に発表する「日本カーデザイン大賞」の授賞式もおこなわれるのが恒例となっている。
授賞式と経済産業省・製造産業局自動車課の矢口麻衣課長補佐による祝辞の後に、懇親会がスタート。会場のあちこちで、企業の枠を超えた活発なデザイン談義に花が咲いたほか、かつての同窓生や同僚と旧交を温めたりする姿が見られた。
どのメーカーの参加者からも聞かれたのは、今年は東京モーターショーがあるから忙しい、というもの。近年は車両をデザインするだけがデザイナーの仕事ではなくなってきた。デザイン部では店舗や広告、メディア露出などを通じたブランディング、ブランドの価値を高めるためのデザイン作業の比重が大きくなってきている。モーターショーのブース構成や演出にも深く関わるようになってきているから、とりわけ仕事量が多いというわけだ。
なお「日本カーデザイン大賞」には3つの部門がある。デザインを評価する「ゴールデンマーカー賞」には量産車部門と研究車部門があり、前者は「この1年に日本市場で発売されたモデル」、後者は「この1年に公開された、おもなコンセプトカー」から選ばれる。2016年を対象にした今回は、量産車部門がシトロエン『C4カクタス』、研究車部門はジャガー『iペース』が選出された。
コンセプトやスタイリングといったデザイン全体を評価するゴールデンマーカー賞とは異なり、クレイモデラーやデジタルモデラーによる造形の作り込みや完成度を評価する「ゴールデンクレイ賞」には、トヨタ『プリウス』が選ばれている。