STIが2017年ラリークロス車両の制作を開始…新井選手がサーキットでアドバイス

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STIが2017年のGRC参戦車両の開発を開始
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埼玉県の本庄サーキットで25日、STIが開発・制作を担当するGlobal Rallycross(GRC)の車両の今シーズン最初となるテスト走行が行われた。テスト走行では、昨年のGRCにスポット参戦したラリードライバーの新井敏弘選手が、アドバイザーとして自ら『WRX STI』のハンドルを握り、評価した。

GRCは北米で行われているラリークロスのシリーズ。ラリークロスは、ラリーの特設コースで行われるスーパーSSを複数台の車が走り、競う競技。米国スバル(SOA:Subaru of America)がワークスとして参戦している。実際に車を走らせているのは、Vermont Sportscarというチームだ。昨年までSTIは技術支援として、Vermont Sportscarに対し、エンジンの供給やセッティング情報の提供などを行っていたが、2017年から本格的に車両開発にかかわることになった。

2017年シーズン『WRX』ラリークロス仕様は、発進やシフトチェンジでのスリップやロスを制御するローンチコントロールシステムの改善、エンジンのパワーバンドの改善(低域から高域までトルクの落ち込みをなくす)、コーナリングスピードの改善を目的としている。今回のテストは、この3点について問題点を数値化するためのデータとりがメインとなる。

午前中は、コースをラップしながら燃調、アンチラグシステム、サスペンションのセッティングなどのデータをとり、午後はローンチコントロールのデータとりにあてた。新井選手は、午前中の走行でも、ラップを重ねるごとに速度があがっていくのがわかる走りをみせてくれた。午後のテストは、ECUの設定をかえてのスタートのテストを何度か行った。

なお、GRCでは、ECU以外、ミッションやサスペンションの電子制御が禁止されている。タイヤの回転数、ギアポジション、GPSなど制御情報としては使えない。したがって、ローンチコントロールといっても、路面の状況やタイヤの回転数(GPS等で速度がわかればスリップもわかる)に応じた制御はできない。エンジン回転数をベースにクラッチのつなぎかた、シフトチェンジのタイミングを制御したマップを使うことになる(STI パワーユニット技術部 沢田拓也主事)。パワーバンドの改善も給・排気系のチューニング、燃焼室の形状といった対応となるという(STI GRCチームリーダー 野村章プロジェクトシニアマネージャー)。

走行後の新井選手のコメントは「昨年、予選ラップはトップ(フォルクスワーゲン)に負けていないので、ローンチコントロールが決まれば十分いけるでしょう。今日のテストでも少し変えただけでタイムアップできているので、もっと速くなる車ですね」と、手応えを感じていたようだ。

《中尾真二》

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