【レクサス IS & RC】スポーツとはセミアスリートの意…失敗を教えてくれる

自動車 ニューモデル 新型車
レクサス IS
レクサス IS 全 16 枚 拡大写真
レクサス『IS』や『RC』は、スポーツの世界でいう“セミアスリート”を意識して開発が行われたという。

「ISやRCの開発時、クルマが良くて“乗せられて”速く走ることが出来てしまう、サーキットでも問題なく走ることが出来てしまうクルマにはしたくなかった」とは、レクサスインターナショナル製品企画主査の小林直樹さんの弁。

ISは“スポーツセダン”、RCは“スポーツクーペ”として開発された。小林さんは、「どちらも“スポーツ”といっている限りは、ドライビングで失敗した時は“失敗した”とドライバーにわからせる。上手くいったときわからせるようにしたい。そこを心がけた」という。

小林さんはゴルフクラブを例に挙げ、「芯を外しても全く問題なく飛ぶものがある。そうすると上手くならない。芯に当たった時はきちんとそれがわかり、外した時は外したとわかること。ただし、OBにはならないということが大事なのだ」と説明。

「クルマでも、コーナーに入るのが速すぎるとか、ブレーキングは今一つ、ステアリングの切りが足りない、戻すのが早すぎるとなどをドライバーに教えてあげられる状態を作らないと(ドライバーは)上手くならないし、スポーツではないのだ」とし、「勝手に制御されて速く走れてしまったというのでは全くダメ。ここを意識してクルマ作りをしている」と開発の根幹を述べる。

何故ここまでこだわるのか。「そうしないと今どきのミニバンやSUVでもそこそこ走れてしまい、同じになってしまう」と小林さん。更に、「我々の考える“スポーツ”とは何か。それはセミアスリートであって、アスリートではない。ミスをしたらとてもではないが走れないような、普通のドライバーでは扱えないようなクルマは、レクサスのユーザーとして見た時に厳しい」と話す。

つまり、「ミスをしてしまってそのまま終わってしまったら練習はできない。限界のグリップをあげるのではなく、限界付近での挙動に気を付けている。その方が安全で、楽しく、また上手くもなるだろう」と小林さん。

そこで、「はたから見ると上手に走れているが、ドライバーにはきちんと(ミスをした、あるいは上手だったと)教えてあげられる、わかるというのがポイントだ。そこがスポーツなのだ」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 【プジョー 3008 新型試乗】全身鋼のような硬さに満ち溢れる。これが新時代のプジョーか…中村孝仁
  3. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
  4. メルセデスベンツ初のEVワゴン、CLAシューティングブレーク新型…IAAモビリティ2025
  5. メルセデスベンツ『Cクラス』次期型を予告、光る大型グリル採用…初のEVも設定へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る