【新聞ウォッチ】トランプ大統領令に戦々恐々の日本車メーカー、豊田社長と安倍首相が会談へ

モータースポーツ/エンタメ 出版物
トランプ大統領(1月30日) (c) Getty Images
トランプ大統領(1月30日) (c) Getty Images 全 2 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2017年1月31日付

●日米首脳車産業協議へ、トランプ氏、雇用拡大を要請、首相、トヨタ社長近く会談(読売・1面)

●ホンダ・GM燃料電池共同生産へ(読売・2、6面)

●トヨタ5年ぶり首位陥落、16年世界販売(読売・6面)

●初乗り410円、歓迎の声、タクシー運賃改定(読売・27面)

●米国便入国禁止7か国の客、全日空・日航搭乗認めず、国際団体周知で(朝日・1面)

●有機EL証明統合、コニカミノルタとパイオニア、車向け開拓に先手(日経・11面)

●マツダ、4割減益、今期営業見通し、日米で販売苦戦(日経・11面)

●車8社、世界生産3.3%増、昨年北米輸出が好調(日経・11面)

●自転車レーン車とめないで、よける際事故の恐れ(日経・39面)

●ナムコ創業者中村雅哉氏死去(日経・39面)

●私の履歴書、カルロス・ゴーン=おわり(日経・40面)

ひとくちコメント

自動車分野の貿易不均衡を疑問視するトランプ米大統領に戦々恐々とする日本車メーカーだが、安倍晋三首相とトヨタ自動車の豊田章男社長が2月3日夜、国会周辺のホテルで懇談する方向で最終調整しているという。

昨日(30日)の日経夕刊が報じたほか、きょうも読売など各紙が取り上げている。

このうち、読売は1面トップの記事に「日米首脳車産業協議へ」とのタイトルで「2月10日にワシントンで開かれる初の首脳会談で、自動車貿易が焦点となる見通しだ」と指摘。「首相はトヨタ自動車の豊田章男社長と近く会談するなど準備を急いでいる」としている。

朝日も「圧力回避策首相と協議へ、トヨタ社長、週内会談」として、「豊田氏は、安倍首相が頻繁に会食する財界メンバーではない。異例のトップ会談は、それだけ日本側が困惑していることの表れともいえる」と伝えている。

産経は「日本の自動車業界に対するトランプ大統領の偏見をただし、『現実路線』に沿った対応を促すための下準備」としているが、「これ以上譲歩しろといわれても、もはや切るカードがない」と、困惑を隠せない自動車業界関係者のコメントを紹介。さらに「縮小する日本市場の開放ではなく、円安ドル高の是正による自国市場の防衛にあるとの見方も強まっている」と指摘する。

こうした中、ホンダは、米ゼネラルモーターズと燃料電池車のシステムを米国内で共同生産すると発表。両社が折半で8500万ドル(約100億円)を投資し、生産会社を設立、新たに100人程度を雇用するという。

ホンダが燃料電池の開発拠点がある日本ではなく、米国への投資を決めたことについて、ホンダでは「以前から検討していた」とし、米国ホンダの神子柴寿昭社長も会見で「需要のある場所で生産する方針で、米国での生産を決めた」と述べたそうだ。

ただ、きょうの未明、ミシガン州で行われた共同会見でGM側は当初マーク・ロイス上級副社長を予定していたが、急遽、ダン・ニコルソン上級副社長に変更するなどの混乱もあった。このタイミングでの発表はトランプ政権を意識したパフォーマンスとの見方もできる。

それにしても、トランプ氏の理不尽な要請に対しては本来ならばオールジャパンで対応策を打ち出さなければならない事態なのだが、これまでのところ、各社首脳が意思の疎通を図れているとは言い難い。

《福田俊之》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデスベンツの主力SUV『GLC』、新型を9月に世界初公開へ
  2. 三菱『パジェロ』7年ぶり日本復活か!? 日産 パトロール 派生モデルの可能性も
  3. その名の通り1000馬力! 新型スーパーカー『ブラバス1000』発表、AMG GTのPHEVをさらに強化
  4. 日産『エクストレイル』米国版が2026年型に、新グレード「ダークアーマー」設定
  5. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る