高校生がカーデザインに挑戦…「カーデザイン甲子園」結果発表

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最優秀賞となった坂田康介さんの作品
最優秀賞となった坂田康介さんの作品 全 11 枚 拡大写真

新潟国際自動車大学校(GIA)は2月2日『第4回カーデザイン甲子園』の審査結果を発表した。このコンテストは同校が全国の高校生を対象にして毎年開催。「未来に乗ってみたい、夢のクルマ」のアイデアを募集している。

このコンテストは、従来の「クルマらしさ」やスタイリングの完成度よりも、夢があってワクワクさせられるアイデアや発想を重視。実現不可能なアイデアであっても、それなりのリアリティをともなって想像がふくらむものが選ばれる。第4回の作品選考は2016年末におこなわれた。

今回は日本全国の高校生から合計164点の応募があり、応募作品は教室いっぱいに並べられて審査がおこなわれた。選考は、まず審査員それぞれが気になったものをピックアップし、それらを集めて全員でふたたびチェック。協議を重ねて最終的に受賞作品を決めるという流れ。

最優秀賞に選ばれたのは、坂田康介さん(栃木県立足利工業高等学校3年)の『CONNCT』。パーソナルコミューターとリビング感覚のキャビンからなる家族向けモビリティだ。コミューター部分はこまめに最新機能にアップデートさせつつ、キャビンは「家族の思い出」を蓄積することで付加価値を高める。

「幼い子供が成長し、親子で酒を楽しめる年齢になるまで所有しつづける」というアイデアが、ボディ各所にあしらわれたワイングラスのグラフィックスに表現されているといった演出も高く評価された。

優秀賞は2点。三浦未玖利さん(青森県立八戸西高等学校2年)のシンプルな3輪スポーツカーと、荒井優花さん(栃木県立足利工業高等学校3年)の『MAYU』。三浦さんの作品は「運転の楽しさ」を研究、追求したところ普遍的な価値観に帰結し、それをストレートに表現した勢いのよさが評価された。

MAYUは自動運転技術を小学生のために活用する提案。過疎地での通学に使うパーソナルモビリティだ。ボディをランドセルとコーディネートできるようにするなど「小学生向けコミューター」としての魅力を高めようとするアイデアが光っている。

審査員は、日野自動車デザイン部デザイン管理室の刈込日出男室長、エイ・ティデザインの八木將雄代表、EPOXY DESIGNの後藤明寛代表、 カーデザイナーの野口利幸氏、そして筆者の5名。今回も人口減による過疎化を考慮したり高齢者への気配りを感じさせるといった、個人エゴよりも社会全体の利益を追求する提案が見られたのは嬉しい点。クルマが「生活の道具」として身近な存在になっていることを反映したものだろう。

反面「お絵描きコンテスト」と勘違いしているのではないかと疑ってしまうような、デザインを探究した形跡の見られない作品も散見されたのは少々残念だった。なお最優秀賞と優秀賞の作品は、プロのデザイナーによってアイデアを洗練させ、リアリティのあるレンダリングを作成。副賞として受賞者に贈呈されることになっている。

《古庄 速人》

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