【新聞ウォッチ】東芝”存亡の危機” 債務超過1912億円、決算発表も延期

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東芝 (c) Getty Images
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2017年2月15日付

●東芝最終赤字4999億円、原発で損失、志賀会長辞任、4-12月期見通し(読売・1面)

●自動走行バス公道で実験、来年1月、全国10か所にモデル地域(読売・4面)

●米ミシガン州、車の街ハイテクで再起(読売・8面)

●トヨタHV販売1000万台に、世界累計台数、20年で達成(読売・10面)

●独オペル買収を協議、仏プジョー、GMと(朝日・6面)

●金正男氏暗殺、北工作員犯行か、マレーシアの空港、女2人組、現地警察「確認」(産経・1面)

●日産は「電動化」「AI」で勝負(産経・11面)

●タタ自動車、純利益96%減、10-12月(産経・9面)

●旭化成、中国で高機能樹脂、地元大手と合弁、プラント建設300億円(日経・12面)

ひとくちコメント

「東芝の悲劇」のどころではない。日本を代表する名門企業とは思えないほど常軌を逸している混乱ぶりで、深刻な経営危機に陥っているとしか言いようがない。

東芝が発表した2016年4~12月期連結決算見通しは、最終損益が4999億円の赤字(前年同期は4794億円の赤字)。米原子力発電事業に関連する「のれんの減損」など7125億円の損失を計上するという。

また、巨額損失により昨年12月末時点で自己資本が1912億円のマイナスになる「債務超過」となったそうだ。

予定されていた決算発表も、午後3時の開場時間の直前になって急きょ、3月14日までに開示すると延期を発表、先送りとなった。

それでもようやく綱川智社長が事情説明のための記者会見を行ったのは午後6時半からで、経営は混迷の度を深めていることが読み取れた。

きょうの各紙も「東芝債務超過1912億円、米原発子会社不正疑い、半導体経営権売却も」「決算発表延期」「東芝会長が辞任」などのタイトルで、朝日、毎日、日経が1面トップ。産経などもクアラルンプール国際空港で北朝鮮の金正恩委員長の異母兄、金正男の暗殺報道が飛び込んでこなければ、トップ記事の扱いになったことだろう。

産経、東京、日経の3紙は、きょう社説のテーマでも取り上げた。産経は「信頼回復の道なお険しい」として、「会社の存立を脅かすほどの損失を、直前まで認識していなかった責任は重い」と指摘。「何より問題なのは、WH幹部らに現地の経営を任せきりにしていたことだ」と伝えている。

また、東京は経営の混乱の背景にある「隠ぺい体質を一掃しなければ再生への道は見えない」と報じた。日経も迷走を重ねることについて「経営陣に果たして当事者能力があるのか、疑問視する声もある」と糾弾。日米首脳会談で「トランプ・ショック」は一息ついた状態だが、これからしばらくは「東芝の危機」をめぐる報道合戦が再燃しそうだ。

《福田俊之》

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