自動車メーカーの2017年春闘は2月15日に一斉に要求が提出された。賃金改善(ベースアップ)の要求額は各社とも昨年と同額の3000円で、自動車総連の統一要求基準に揃えた。
一方で、年間一時金は17年3月期の業績予想を反映し、下記に示すように昨年の妥結水準から引き下げる要求も相次いだ。
◇乗用車メーカー8社の一時金要求
企 業 17年要求 16年妥結
トヨタ 6.3か月 7.1か月
日 産 6.0か月 5.9か月
ホンダ 5.9か月 5.8か月
スズキ 5.9か月 5.8か月
マツダ 5.4か月 5.6か月+3万円
富士重 6.2か月 6.5か月
三菱自 5.3か月 5.5か月
ダイハツ5.5か月 5.3か月+5万円
乗用車メーカー8社のうち、昨年の妥結水準を上回る要求としたのは日産自動車、ホンダ、スズキ、ダイハツの4社となった。これらの企業の17年3月期の連結決算予想は純利益ベースで日産がほぼ横ばい、ホンダとスズキは増益となっている。ダイハツ工業は昨年、トヨタの完全子会社となったため業績を開示していないが、今期は改善方向と見られる。
これに対し、トヨタ自動車、マツダ、富士重工業(スバル)、三菱自動車工業は今期業績が大幅な減益となるため、昨年の妥結水準を下回る要求となった。トヨタは8社で最も月数の多い6.3か月の要求としているが、昨年からは0.8か月分の大幅な引き下げとなった。年間一時金は業績反映の交渉が定着しており、17年もその傾向が顕著になっている。