高度技術、珍景…大深度地下を行く外環道シールドマシン[フォトレポート]

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外環道 東名~関越間 本線トンネル(南行)シールドマシンカッターヘッド組立シーン
外環道 東名~関越間 本線トンネル(南行)シールドマシンカッターヘッド組立シーン 全 30 枚 拡大写真

動き始めた2基の外環道シールドマシンは、ひと月最大500m掘進というペースで東名道から関越道へ向けて3車線トンネルをつくっていく。そこには右側通行、地中接合工、非開削工法といった珍しいシーンが展開される。30枚の写真とともに見ていこう。

南行・北行を2社で分担

外環道 東名~関越間の建設は、東名道・湾岸方面(南行)をNEXCO東日本が、関越道・埼玉方面(北行)をNEXCO中日本が担当。シールドマシンのカッターヘッドなどは、NEXCO東日本のマシンがグリーン、NEXCO中日本がオレンジと、両社のブランドカラーが塗られている。

製造は、NEXCO東日本側の東名道方面用シールドマシンが川崎重工業。NEXCO中日本側の関越道方面用シールドマシンがJIMテクノロジー。JIMテクノロジー(JIMT)は、IHI、JFEエンジニアリング、三菱重工業のトンネル掘削機事業を統合し、2016年10月に発足した会社だ。

左側通行じゃなくて右側通行

日本の道路や鉄道は左側通行が基本だが、この外環道 東名~関越間はほとんどが右側通行。この意味のヒントは、緊急時のトンネル内避難方法にあるようだ。

南行・北行のトンネル間には、避難時に使う横連絡杭が設置されている。地下の南行・北行を右側通行に設定することで、走行車線が内側、追越車線が外側に走るようになり、この横連絡杭が走行車線側で「より安全に連絡・退避できるように」結ばれる。

ランプとの分合流区間は巨大シールドで

ジャンクションや出入口では、本線と分岐・合流するランプが設置される。この分合流区間の「地中拡幅部」は、地上から開削する工法ではなく、シールドトンネルを地中で切り拡げる非開削工法を採用。大深度の高圧力のなか、1か所につき200~400mの部分を同工法で本線より太いトンネルをつくっていく。

東名立杭には無数のパイプやケーブル

2月19日に発進したシールドマシンの地上部、東名立杭には、無数のパイプやケーブルが地下に向けて延びていた。これらは、シールドマシンを進ませるための電力や、掘り進んで発生した土砂を送る管やケーブルの類。

パイプ類は、種類によって色分けされている。濃緑は土砂圧送・予備、緑は裏込A液、ピンクは裏込B液、濃青はシールドマシン冷却水(送・戻)、青は坑内給水、赤は坑内排水、濃ピンクは緊急排水、黄色は噴発防止剤、白は燃料、灰はコンクリートといった具合。

ケーブル類は、シールドマシンの推進させる電力を送るためのもの。東名立杭には9kmぶんのケーブルが束ねられていた。「到達ポイントの9km先まで、シールドマシンをこのケーブルでつなぐ」という。

シールドマシンの終端点は地中接合工で

外環道 東名~関越間の建設は、関越道側の大泉ジャンクション(大泉立杭)から2基のシールドマシン、今回の東名立杭から2基のシールドマシンと、合計4基で掘り進む。京王井の頭線の直下付近で双方からのシールドマシンがぶつかり、その両トンネルを接合させるときは、地中接合工で行う。

この地中接合工は、接合部分周辺の土を凍らせて地下水の流入を防ぎながら接合する凍結工法。土が凍ったのち、シールドマシンが解体される。

《レスポンス編集部》

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