【トヨタ C-HR ハイブリッド 試乗】加速感は面白みに欠けるが…中村孝仁

試乗記 国産車
トヨタ C-HR G(ハイブリッド)
トヨタ C-HR G(ハイブリッド) 全 18 枚 拡大写真

『C-HR』という名前を聞いて、他の某国産メーカーの車名と勘違いしそう…なんて思った人も少なくないと思う。これ、実は開発コードをそのまま車名にした結果こうなったとのことだった。

【画像全18枚】

普通、開発コードだとアルファベットと番号の組み合わせが一般的。そうならなかったのは、このクルマにかなりの思い入れがあったことと、「お金使っても良いぞ」指令が出ていたことで、とりわけ足の決定にはわざわざニュルブルクリンクにまで持ち込んで評価をするなど、この種のクルマとしては異例なほど練りに練ったものだった。そして車名決定に際して、グローバルマーケットと国内市場を同名で出したいという見地から、開発コードをそのまま使う決定を下したところ、上手い具合にこの車名が抑えられておらず、トヨタとしては異例の車名になったとのことであった。

肝はふたつあると思う。最大の要件はまずTNGAと呼ばれる『プリウス』に使われてデビューした、トヨタの新しいグローバルプラットフォームを採用した第2弾だということ。もう一つは、トヨタにしては珍しく大胆なデザインを庶民派レベルのクルマにまで使ってきたということだ。

TNGAは、初めてプリウスに乗った時に感心させられた。それは先代までの乗り心地とはまさに異次元というほどの大きな違いを見せて、プリウスはいいけどあの乗り心地じゃね…と思っていた僕をこれならOKと思わせたほどよくなっていたこと。もっとも今度のプリウスのデザインはお世辞にもカッコいいとは言えないが。そしてTNGA第2弾のC-HRに乗ってまた感心させられた。今度はハンドリングである。首都高レベルのスピードだが、比較的タイトなコーナーでスピードを落とさずに突っ込んで行っても、全く修正舵一つ必要とせずに回れたこと。まるでマツダのG-ベクタリングが装着されたみたいな印象だった。足は実に良く動いている。

そしてこのデザイン。正直そうとうに気合の入ったデザインで、もしかすると好き嫌いがはっきりするかもしれないが、それでもこれだけ大胆なデザインが採用されたのは、大いに評価したい。レクサスならこれで全然違和感はないが、トヨタブランドでこれは拍手もんである。とりわけリアクォーターと後部ドアハンドルの処理はお見事だ。もっとも子供が開けられないほど高い位置にあるのは、いかがかとは思うが…。

今回試乗したのはハイブリッドモデルの最高峰「G」グレードで、18インチタイヤを装着していた。シートはダイヤモンドステッチの入ったファブリック仕上げだが、そのフィット感はかなり良い。短時間の試乗ではあったがフィーリングはすこぶる良く、長距離でも疲れが出にくそうな面圧分布を持っていた。

ハイブリッドに組み合わされるのはFWDのみである。そしてパワートレーンは基本的にプリウスと何ら変わらない1.8リットル98psの直4ユニットと、72psのモーターの組み合わせ。バッテリーはニッケル水素が使われている。踏んだ直後の立ち上がりはモーターがアシストしてくれるので、その加速の鋭さはガソリン車以上である。ただし、踏んでいくとTHSらしい頭打ち感が出てきてしまう。

正直、この加速感は面白みに欠ける。日本の場合、何処まで行っても走りの愉しさよりも省燃費に重きが置かれるユーザーマインドがあるので致し方ないが、グローバルでもこれで良しとするのは少し問題のような気もする。ただし、実際の運動性能と乗り心地はこのセグメントのモデルとしては出色である。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来39年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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