モータースポーツ活動はタイヤビジネスに直結…ブリヂストン

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2017年ブリヂストンモータースポーツ活動発表会
2017年ブリヂストンモータースポーツ活動発表会 全 15 枚 拡大写真

6日、ブリヂストンが2017年のモータースポーツ活動に関する記者発表を行った。2人の執行役員がプレゼンを行い、今年のサポート体制やタイヤ開発への取り組みについて熱く語った。

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執行役員・ブランド戦略担当の鈴木通弘氏は、同社がモータースポーツ活動に取り組む目的は、「モビリティ」「一人ひとりの生活」「環境」といった消費者の生活基盤にブリヂストンブランドを訴求するためだという。その中で、スポーツイベントを軸としたコミュニケーションプラットフォームの構築を担うのが、イベント協賛、タイヤ供給、スカラシップなどモータースポーツ活動だ。鈴木氏は「モータースポーツは、タイヤビジネスに直結するプラットフォームであり、グローバルでクルマ好き、バイク好きを増やすためにも力を入れる」と明言した。

そのために、トップカテゴリー、参加型レース、環境技術レースの3つのアプローチで支援活動を展開する。トップカテゴリーは4輪の「SUPER GT選手権」、2輪の「EWC(鈴鹿8耐含む)」「全日本ロードレース」においてタイヤ供給をてんかいする。その中でのタイヤ性能の検証と実証、POTENZA(4輪)/BATTLAX(2輪)ブランドの強化、供給チームの勝利への貢献がミッションとなる。

GT500では、LEXUS TEAM SARD(LC500)、TEAM IMPUL(GT-R)をはじめ9チームに、GT300では、LM corsa、K2 R&D LEON RACINGの2チームを加えた4チームがPOTENZAタイヤを装着する。

EWCは本年度からの参入となりF.C.C. TSR Honda、YART Yamaha Official EWC Teamの2チームがタイヤ供給を受ける。なお、EWCの最終戦は40周年記念となる鈴鹿8時間耐久ロードレースとなる。

参加型レースは、その頂点ともいえる「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」を筆頭に、国内の全日本ジムカーナ、カート、86/BRZレース、ロードスター・パーティレース他にも積極的なタイヤ供給を行う。

ニュルブルクリンク24Hは、POTENZA開発の地でもあり、タイヤや車両開発の場としてもトップカテゴリーに属するレースでもある。TOYOTA GAZOO Racing(LEXUS RC)にタイヤ供給を行い、ファンとともにチームを応援する。

環境技術レースは、同社がスポンサーとなっている「BRIDGESTONE WORLD SOLAR CHALLENGE」において、国内外の学生チームなどにソーラーカー向けの特殊タイヤを供給する。同社は、EV時代を見据えた「オロジック」という大径・小幅のタイヤを持っている。

続いて、執行役員・消費財タイヤ開発担当 井出慶太氏が、モータースポーツ活動を通じたタイヤ開発について説明。ブリヂストンでは、タイヤの構造、コンパウンド、解析技術をベースに、鈴木氏が紹介したさまざまなカテゴリーの競技タイヤを開発し、それを市販タイヤの性能アップや付加価値につなげているという。そして、競技フィールドや市場からのフィードバックによってさらなる技術開発を促進する。

井出氏は、これがタイヤ開発を通じてモータースポーツ活動を支援する意義とした。その上で「ダントツの技術でレースタイヤを供給し、供給するからには勝つことを前提にする。そのために、エンジニア、選手、チームが一丸となって取り組み、ファンのみなさんのこころに響く活動をお届けしたい。ぜひ応援を。」と、力強く語った。

両執行役員のプレゼンのあとは、インディシリーズ(FIRESTONEブランドでオフィシャルタイヤサプライヤーに指定されている)を追う佐藤琢磨選手のビデオレター、ピストン西沢氏のMCによるGT選手権ドライバー(平手晃平選手、安田裕信選手)のトークセッションとなった。

昨年のGT500でチャンピオンに輝いた平手選手は「新しいタイヤテストも順調で、開発スピードも上がっている。連覇を狙いたい」、安田選手は「昨年はいい位置にいながらチャンピオンを逃した。(星野)監督もタイヤテストは毎回参加するなどチーム全員で改善に取り組んでいる。目標はシリーズチャンピオンをとること」と、それぞれの目標をかたった。

2017年は、満を持してWRCに復活したトヨタが2戦目にして早くも優勝を成し遂げた。86/BRZやロードスターなどスポーツカーブームもあり、自動車メーカー、サプライヤー、アフターパーツメーカーなどのモータースポーツ活動が活発化している。

これを、自動車が売れなくなったことによる相対的な現象ととらえることも可能だが、今回ブリヂストンが、レース車両の技術開発を市販製品にフィードバックすると表明したことや、モータースポーツをビジネスプラットフォームとしてとらえた発言をしたことの意義は深い。

競技参加によるブランディングは時間がかかり、短期的なPRや売上には結び付きにくい。それをあえて「ビジネスに直結する」とし、ファンや市場を育てる戦略に注目したい。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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