【スズキ ソリオ ハイブリッド 試乗】AGSのトルク抜けをHVで解決するとは…松下宏

試乗記 国産車
スズキ ソリオ バンディット ハイブリッド
スズキ ソリオ バンディット ハイブリッド 全 28 枚 拡大写真

スズキ『ソリオ』は5ナンバー枠を使い切らない全幅と高めの全高によって独自の世界を作ってきた。最近ではトヨタ/ダイハツ/スバルが4車種の連合軍によって対抗してきたため、ソリオもハイブリッドを追加して新しい特徴を備えてきた。

【画像全28枚】

スズキのグリーンテクノロジーを生かしたこれまでのマイルドハイブリッドではなく、本格的なフルハイブリッドを採用した。といっても『プリウス』のような高度なメカニズムを持つものではなく、コンパクトカーにふさわしいシンプルで合理的なシステムである。

搭載エンジンは直列4気筒1.2リットル。ベースとなるガソリン車やマイルドハイブリッドに搭載されるのと同じエンジンで、67kW/118Nmのパワー&トルクを発生する。これにMGU(モーター・ジェネレーター・ユニット)を組み合わせてハイブリッドシステムを構成した。

モーターの出力もマイルドハイブリッドより強力な10kW/30Nmとされ、同時に発生する回転数域も格段に広くなっている。状況によってモーター走行も可能なのがフルハイブリッドたる理由で、エコモードで郊外のすいた国道を走ると、60km/hくらいまでの領域をモーター走行でカバーできた。

これによって燃費が良くなるのは当然で、マイルドハイブリッドの27.8km/リットルに対し、フルハイブリッドは32.0km/リットルに向上する。ハイブリッドはリチウムイオン電池を搭載することなどによって価格も高くなるので経済性の判断は単純ではないが、30km/リットルを超える燃費は十分に良い数値だ。

それ以上に良かったのが変速フィールだ。ソリオハイブリッドのトランスミッションはAGS(オート・ギア・シフト)と呼ぶシングルクラッチだ。これは『アルトターボ』などにも搭載されるものだが、変速時のトルク抜けが課題となるメカニズムである。

ソリオハイブリッドでは、トルク抜けの症状が発生しそうなとき、モーターがアシストしてトルクを補うため、トルクが抜けることなく滑らかで違和感のない変速が可能となる。停止状態からフル加速なんてシーンでは変速ショックも出るが、タウンユースを中心にした日常走行では、変速がほとんど気にならない。

AGSの欠点を補うのにこんな方法があったのかと、思わず感心させられた設定だ。極めて具合の良い走りを実現していたので、このアイデアを考えた技術者には大きな拍手を送りたい。

ソリオハイブリッドには、先進緊急ブレーキとしてデュアルカメラ・ブレーキサポートを搭載するなど、最新の安全装備が用意されている。装着車設定という扱いなので、購入時には必ず装着車を選びたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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