【実践! サウンドチューニング 上級編】ハイエンドシステムにおける、クロスオーバー調整の勘どころ その6

自動車 テクノロジー カーナビ/カーオーディオ新製品
『レインボウ・DSP1.8 + WiFi Module』の調整画面。
『レインボウ・DSP1.8 + WiFi Module』の調整画面。 全 1 枚 拡大写真

カーオーディオの楽しむべき重要項目の1つ、「サウンドチューニング」のノウハウをご紹介している当コーナー。現在は、「クロスオーバー」について解説している。今回はその最終回として、“これを行う中で何を目指すべきか”を考察していく。

さて、まずは“パッシブクロスオーバーネットワーク”の値を入力し、その後に“クロスポイント”の設定可能な範囲を見定め、さらには“位相”の確認を終えたら、いよいよそこから微調整を加えていく作業に入るわけなのだが…。実際はここで一旦、「クロスオーバー」調整から離れることとなる。

「クロスオーバー」を厳密に追い込む前に、「タイムアライメント」と「イコライザー」調整に進みたいのだ。それらがある程度整っていないと、「クロスオーバー」調整で目指したい部分の善し悪しが判断しにくいからである。

その“目指したい部分”というのは主に、「全体のバランス」と、トゥイーターとミッドウーファーとの「繋がり」だ。まずは“クロスポイント”あたりの音が薄くなり過ぎたり厚くなり過ぎたりしないように注意して、その上で、あたかも1つのスピーカーユニットから音が出ているかのような、一体感のあるサウンドを目指したいのである。

というわけで、「タイムアライメント」と「イコライザー」の調整がすんだところでもう1度「クロスオーバー」に戻り、“カットオフ周波数”と“スロープ”を微調整させながら、全体のバランスと繋がりを整えていこう。

ちなみに、ミニバンのような天井の高いクルマでは、トゥイーターとミッドウーファーの距離が遠くなるので、スタンダードな「クロスオーバー」設定をすると、クロスポイント周辺の音が薄くなる傾向がある。もしもそのような聴こえ方であったなら、ミッドウーファーの“カットオフ周波数”を、トゥイーターの“カットオフ周波数”よりも上目に持ってくるのも1つの対処法となる。または“スロープ”を緩やかにしてみるのもアリだ。

このように、“カットオフ周波数”と“スロープ”を変えながら、全体のバランスが自然で、サウンドの一体感が増すポイントを探っていこう。そして“スロープ”を変えるたびに、“位相”をチェックすることをくれぐれもお忘れなきように。“位相”を合わせることがとにもかくにも重要なのだ。

いかがだっただろうか。「クロスオーバー」についての解説は、以上を持って終了とさせていただく。次回からは新章に突入する。お楽しみに。

【実践! サウンドチューニング】上級編 Part.2「ハイエンドシステムにおける、クロスオーバー調整の勘どころ。その6」

《太田祥三》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 車内が即ネット空間に! 新型USB型Wi-Fiルーターがドライブを変える[特選カーアクセサリー名鑑]
  2. トヨタの新型EV『アーバンクルーザー』をくまなくチェック!…詳細画像記事ベスト5 2025年上期
  3. ついに「パジェロ」の名前が日本復活!? 三菱の新型SUV、デザイン&スペックを大予想!
  4. 狭い道! 制限1.9mだが何かがおかしい…東京都小金井市
  5. 六連星の意味を探る! 航空機のDNAが息づくスバルのデザイン
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る