ホンダ、日本郵便との実証実験で二輪車用テレマティクスサービス商用化に前進

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ホンダ、日本郵便 合同会見
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ホンダと日本郵便は3月23日、郵便配達業務での電動二輪車導入やホンダが開発したテレマティクスサービス活用などに向けた実証実験を行うことで合意したと発表した。

今回の両社による協業は全国で約9万台ある郵便配達用の二輪車を順次、電動車両に置き換えることを最大の目的としているが、配達業務そのものの効率化を実証実験で同時に探ることも狙っている。

日本郵便の福田聖輝副社長は同日に開いた合同会見で、その背景として「配達業務のうち局内での作業は、作業単位で全部把握できるようなシステムができている。ただ局外に出た時に例えば事故が起きたとか、故障した場合に、すぐに把握するすべがない」ことを理由にあげた。

今回の実証実験ではホンダが開発したテレマティクスサービス『Honda Biz LINC』を郵便配達業務に活用する。Honda Biz LINCはスマートフォンやタブレット端末の位置情報を活用することで二輪車などによる近距離移動の効率化を支援するクラウド型サービスで、ホンダの商用用途バイクに対しソフトウエアの領域でもサービス展開を目指して、開発が進められてきた。

その主な機能は配送車両やドライバーの位置情報のリアルタイム管理、配送先までの効率的なルート探索、安全運転支援など。合同会見に臨んだホンダの青山真二取締役執行役員は「この機能を郵便配達業務用の車両に搭載し、車両の位置を把握できることでより効率的で安全な配達業務の実現に向けた検証を行っていく」と述べた。

さらに青山執行役員は「位置情報をベースに郵便配達業務を行っている方の動態管理ができる。もともと効率の良い配送業務を行っているが、さらに良い配送ルート設定ができるし、例えば時速何kmで走行していたということもわかるので安全運転という観点からも効果が期待できる」とも付け加えた。

まさに日本郵便の福田副社長が知るすべがないとしていた局外での配送車両のリアルタイム管理をHonda Biz LINCで解決しようとするものだ。

ホンダはこれまでにも宅配のピザや寿司などの配送を想定した実証実験をHonda Biz LINCで行ってきた。今回、郵便配達用の二輪車での実証実験が始まることでHonda Biz LINCの商用化に向けて大きく前進することになりそうだ。

また両社は電動二輪車やテレマティクスサービスなどの実証実験に加えて、既存の配達車両の保守体制の整備でも協業することでも合意している。日本郵便の福田副社長は「郵便事業の永続的なユニバーサルサービス確保のためには郵便を配達する二輪車の保守が遅滞なく行われることが不可欠」とした上で、「そのため昨今、保守店などが減少する中、今までと同じような保守体制を確保していくための方策についても協業していくことにした」と説明した。

《小松哲也》

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