【バンコクモーターショー2017】プラグインハイブリッド車大量投入のナゾ

エコカー EV
バンコクモーターショー2017
バンコクモーターショー2017 全 5 枚 拡大写真

バンコクモーターショー会場では毎年、現地でも大人気で憧れのブランドであるBMW&MINIとメルセデスベンツが大規模なブースを構えて大量の車両を展示する。それは今年も変わっていないのだが、両社とも今年はその内容に大きな変化が起きた。

なんと、ブースの大部分をPHV(プラグインハイブリッド車)が占拠しているのだ。まるで申し合わせたかのように両社ともである。その光景は、まるで充電スタンドを備えた駐車場のよう。それも大規模の。

ところでタイの道路や駐車場でPHVを見かけるのかと言えば、答えはNOだ。まったくもって見かけることはない。それではなぜ、BMWとメルセデスベンツは展示においてPHV中心へと舵を切ったのだろうか?

「これからはタイでも受け入れられるはずだ」とバンコクモーターショーの事務局長を務めるジャトロン・コモリミス氏は言う。

「欧州を中心にPHVは世界的に普及する気配を見せていて、そのトレンドはタイにも広がるに違いない。そしてCO2削減を進めようとしているタイ政府にとってもメリットがある。」
とはいえ、PHVは一般的なガソリン車やディーゼル車よりも高いし、実際の車両価格の差に加えてそれに比例して高額な関税が上乗せされるので割高感がいっそう高まり、あえて買う人は少なくないように思える。

ジャトロン氏は「普及のために政府は関税を下げるなどの政策をおこなうはず」という。
ちなみに昨年末、タイの工業相は「電気自動車は効果でしばらく販売が伸び悩むだろう」とし「電気自動車生産推奨プログラムではEVに加えプラグインハイブリッドカーも対象となる予定」という声明を出している。これは輸入車ではなく国内生産を対象としたものだが、プラグインハイブリッドなどエコカーに関してタイ政府が本格普及を考えているエピソードのひとつである。

BMWやメルセデスベンツがPHVの大量展示に踏み切ったのはどうやら、そんな政府の動きともリンクしながらインテリ層に向けて先進的なブランドをイメージさせるという戦略的な理由からに違いない。

たしかにバンコクでは、トヨタ『アルファード・ハイブリッド』など正規販売されていないハイブリッドカーを驚くほど多く見かけた時期があった。すべて日本から持ち込んだ並行車両で、あえてそれを選ぶ理由は「ハイブリッドがクールで自慢できる」という見栄っ張りな理由からだった。まずはそれと同じことがPHVで起きないとも限らない。

もちろん、金持ちはガソリン代などを気にしないこの国で実際に普及させるには長い時間がかかりそうだが。

《工藤貴宏》

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