三菱自 山下副社長「日産とは開発の進め方を変えていく」

自動車 ビジネス 企業動向
三菱自動車の山下光彦副社長
三菱自動車の山下光彦副社長 全 2 枚 拡大写真

三菱自動車は4月13日、東京・芝の本社で燃費不正問題を受けた社内改革の進捗状況についての説明会を開催した。その中で開発・品質管理を担当する山下光彦副社長は「課題をみんなで認識し、協力して取り組もうという動きが出てきた」と手応えを感じている様子を見せた。

同社はこれまで何度も不祥事を起こし、その都度社内改革を進めてきた。今回で4回目になるが、今回は過去3回とどうも違うようだ。「これまではかけ声ばかりが大きくて、対策の具体化ができていなかった。成果についても具体的に残っているものが見えない」と山下副社長。それはまるでカルロス・ゴーン氏が来る前の日産自動車と同じである。

そこで、ゴーン氏とともに開発部門の改革に取り組んだ山下副社長は、三菱自動車でも同じような手法と取り入れた。それは、課題を顕在化させ、みんなで課題を認識してシェアしながら解決していくというものだ。クロスファンクショナルに部署をまたいだ会議をいくつもつくり、そこで課題解決に向けた議論を重ねているという。その結果、「どこかに課題が埋もれてしまうことがなくなってきている」と山下副社長は話す。

確かに山下副社長が16年6月に日産から三菱自動車に来て、具体的な組織改革を行うなどして目に見える形で社内改革が進んでいる。しかし、三菱自動車を元気にするには、社内改革だけではもちろん不十分で、いかにヒット商品を生み出すかが重要になってくる。そのための人材は大丈夫なのだろうか。一連の不祥事で多くの人材が流出した。

「全然足りなかったんですが、今それは外注や海外の人材活用を中心にギャップを埋めるようにしている。ほぼ埋まりつつある」と山下副社長は話し、日産とのアライアンスも十分に活用していく方針だ。その一つが自動運転で、日産は他社に先駆けて『セレナ』に「プロパイロット」という自動運転技術を搭載した。今後、三菱車にもこの技術が搭載されるのは間違いないだろう。しかし、山下副社長はこう釘を刺した。

「日産とは技術開発の進め方を変えていこうと思っている。日産ではそれぞれの技術シーズをベースに要素技術を開発して、それをクルマに組み上げ、どんなクルマにも対応できるようにした。三菱は非常に特徴のあるクルマをつくっているので、クルマをベースにした開発を進め、シーズではなくニーズを見据えた開発をやっていきたい」

そのための組織、先行車両開発部をこの4月に発足した。果たしてどんなクルマが登場するのか要注目だ。

《山田清志》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  2. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る