覚せい剤使用の運転手勤務に千葉運輸支局の監査…千葉県いすみ市 三和交通有限会社

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国土交通省関東運輸局千葉運輸支局は25日12時57分、「三和交通有限会社」(千葉県いすみ市岬町・岩瀬幸一社長)に監査に入った。

同社の藤間弘記運転手は13日、インバウンド(訪日外国人)向けの貸切バスツアーの運行中、宿泊先のホテルで覚せい剤を使用した容疑で、大阪府警泉佐野署に逮捕された。千葉運輸支局は、勤務先である同社の運行計画や運転手の管理について調べている。

「この時期にあってはならないことだ」。運輸局関係者は、この逮捕に戸惑いを隠しきれない様子だ。国土交通省は軽井沢スキーバス転落事故の反省から規制を強化。大型連休の多客期を前に全国一斉で街頭監査を行うことを公表したばかり。逮捕は、そのタイミングで発覚した。

しかも、藤間容疑者の運行は、事故の反省が生かされているとは言えないものだった可能性がある。泉佐野署によると、逮捕のつながる貸切バスの運行は4月9日から始まっている。

その日外国人観光客24人を乗せて成田市内を出発。9~12日の3泊4日の予定で、東京都内、富士山、山中湖、静岡県、愛知県、京都市・大阪市を巡るツアーだった。これだけでは終わらず、観光客を送り出し、さらに逮捕のきっかけとなった泉佐野市のホテルに12日に宿泊して、次のツアー客を迎えるという強行日程だった。

藤間容疑者は、ツアー運行中の10日に都内で1グラムの覚せい剤と注射器を購入したと供述しているという。また、購入後の10~12日にそれぞれ2回、運行中に6回の覚せい剤を使用し、購入分を使い切ったという。これを含めて50回以上の使用を供述し、今年2月以降、覚せい剤が体内に入った状態で10回以上運転していたともいう。

薬物使用は論外だが、運行事業者は運転手の健康を管理する義務がある。警察は藤間容疑者個人の使用を追及するが、運輸局の監査は三和交通有限会社の経営者や運行管理者が、どのような運行管理を行っていたかが焦点になる。

同社は本社で営業所となるいすみ市に9台の車両を登録。従業員は10人。1999年12月に事業許可を得た。同社は取材に対して「担当者不在で答えることはない」と、回答した。

《中島みなみ》

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