今村復興相が三陸鉄道「オーナー」に…直後の「失言」で大臣辞任

鉄道 行政
「三鉄オーナー」に就任した今村議員(中央)。オーナー証の贈呈式が行われた時点では復興大臣だった。
「三鉄オーナー」に就任した今村議員(中央)。オーナー証の贈呈式が行われた時点では復興大臣だった。 全 3 枚 拡大写真

岩手県は4月25日、復興大臣の今村雅弘衆議院議員(自民)が「三陸鉄道オーナー制度」により三陸鉄道のオーナーに就任したと発表した。同日、復興庁でオーナー証の贈呈式が行われたが、今村議員は翌26日に復興相を辞任した。

三陸鉄道は、三陸海岸沿いの北リアス線と南リアス線を運営する岩手県の第三セクター。2011年3月の東日本大震災で津波による線路流出などの被害が発生した。2014年4月までに全線が再開したものの、沿線は過疎地帯で厳しい経営が続いている。

三陸鉄道オーナー制度は、岩手県へのふるさと納税で「三陸鉄道の活性化・利用促進等に向けた支援」を選択し、10万円以上の寄付を行った人を「三鉄オーナー」として認定するもの。オーナーに就任すると、三陸鉄道の無料乗車券6回分が付いたオーナーズクラブ会員証や、車両基地内で車両の運転体験ができる権利などが贈呈される。

岩手県によると、今村議員は5人目の三鉄オーナー。贈呈式では東日本大震災の津波で被災したレールを組み込んだ特製プレートが今村議員に手渡された。岩手県は「寄付は三陸鉄道の活性化・利用促進等の支援に活用させていただきます」としている。

■国鉄~JR九州から政界入り

今村議員は贈呈式の後に行われた自民党二階派のパーティーで講演し、「これ(東日本大震災)はまだ東北で、あっちの方だったから良かった。これがもっと首都圏に近かったりすると莫大(ばくだい)な、甚大な被害があったと思う」と発言した。その後、不適切だったとして発言を撤回したが、翌26日には発言の責任を取る形で復興相を辞任した。

岩手県の政策地域部地域振興室は26日午前、取材に対し「復興大臣たる今村議員がオーナーに就任した。微妙なところだが(辞表が受理された)今の時点でも今村議員個人はオーナーだと認識している」などと話した。その一方で「一般論だが、贈呈式の数時間後にこのような発言があり、びっくりした。ひじょうに残念だ」などと述べた。

今村議員は1947年1月、佐賀県鹿島市生まれ。1970年に東京大学の法学部を卒業して国鉄に入った。国鉄門司鉄道管理局の人事課長やJR九州の関連事業本部企画部長などを経て、1996年の選挙で初当選して自民党の衆議院議員に。2016年8月から復興大臣を務めていた。

《草町義和》

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