【ハーレー ストリートロッド】前傾姿勢で乗る“ナナハン”ハーレー、熱い走りに自信

モーターサイクル 新型車
ハーレーダビッドソンのデザイナー、チェタン・シェジャル氏。
ハーレーダビッドソンのデザイナー、チェタン・シェジャル氏。 全 23 枚 拡大写真

ハーレーダビッドソンは4月19日から22日の期間、シンガポールにて新型『ストリートロッド』のメディア向け試乗会を開催した。

ストリートロッドは水冷Vツインを搭載する『ストリート750』のバリエーションモデルとして新発売され、ボア85mm×ストローク66mm、排気量749ccのエンジンをリチューンし、前後サスペンションをグレードアップした同社の最新モデルだ。

販売好調の「ストリート」

最初に開かれた技術説明会では、ハーレーダビッドソン モーターサイクル プロダクト プラニング ディレクターのピーター・ケプラー氏が次のように説明した。

「2015年および16年の米国におけるスモール・クルーザー市場(601~1200cc)において、ストリート750の販売台数はすべての競合に勝るものでした」

「オーストラリアおよびインドでは、ストリートの成功によりマーケットシェア1位の座を獲得しました」

「たった3年前にローンチされたバイクであるストリートは、今日の時点で3万5000台以上が走っています」

同氏はこのようにストリートが好調なセールを続けていることを発表。今回投入したニューモデル、ストリートロッドも自信作であることを強調する。

シートに跨った途端に感じるスポーツマインド

ハーレーダビッドソンのデザイナー、チェタン・シェジャル氏は、ストリートロッドのデザインについて、アグレシッブなスタイリングだけでなく、ライダーがシートに跨ったとき、乗り手自身がスポーツマインドを感じられるようなライディングポジションを追求したことを明かした。

たしかにライディングポジションをとってみると、若干の前傾姿勢となってスポーティな走りを楽しみたい気分になる。ハーレーダビッドソンの主軸モデルは大柄なクルーザータイプで、ドッシリと落ち着いたムードというのがこれまでの印象だったが、ストリートロッドは若者が好みそうなアーバンスポーツといったイメージだ。

クロームパーツはなく、全身黒尽くめにしたダークカスタム。排気量750ccの水冷Vツインもブラックアウトされていて、僅かにシリンダーフィンに施されたポリッシュ仕上げのメタルの質感だけがコントラストを生み出し、精悍な佇まいを見せている。

そして目をひくのが、ヘッドライトにセットされるスピードスクリーン、いわゆるビキニカウルだ。エッジの効いたフォルムで、メーターをカバーする部分には黒のインサートが入る。3色設定されるボディカラーと同じペイントが施され、フロントマスクを引き締めた。

跳ね上がって終わるテールエンドもまた、シェジャル氏がこだわったポイント。前後長がギュッと詰まった凝縮感のある車体には、新作のシートレールとテールカウルを与え、躍動感に満ちあふれるシルエットを描いた。

じつはハーレーダビッドソンは、よく似たスタイルのコンセプトモデルを2013年のEICMA(ミラノショー)で披露している。そのとき付けられていたネーミングは『RDX800』。シェジャル氏に聞くと「ルーツはRDXにある」とのこと。熱い走りを楽しむハーレーダビッドソンのナナハンとして、ついにリリースされたというわけだ。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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