パナソニック 津賀社長、今期の増収増益に自信…自動車向け事業は右肩上がりで成長

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パナソニックの津賀一宏社長
パナソニックの津賀一宏社長 全 2 枚 拡大写真

パナソニックは5月11日、東京・東新橋の東京本社で2017年3月期通期の決算発表と2017年度の経営方針説明会を開いた。記者会見した津賀一宏社長は「2017年度は増収増益に向けた確かな手応えを感じている」と自信を見せた。

2017年3月期の連結業績は売上高が7兆3437億円(前期比3.7%減)、営業利益が2767億円(同20.2%増)、当期純利益が1493億円(同9.6%減)と減収となったが、津賀社長は「為替影響を除く実質ベースでは増収だった」と述べた。

特に好調だったのがアプライアンス事業で、国内とアジア、中国、インドで家電販売が堅調だったことにより、売上高が前期比2%増の2兆3245億円、営業利益が同1.7倍の1043億円の増収増益となった。また、同社が力を入れているオートモーティブ&インダストリアルシステムズ事業も売上高が為替の影響を受けて同5%減の2兆5612億円だったが、営業利益は車載・産業向けが大きく拡大し、同2倍の1093億円と大幅な増益を達成した。

2018年3月期の業績については、売上高が6.2%増の7兆8000億円、営業利益が21.0%増の3350億円、当期純利益が7.1%増の1600億円と予想。家電がアジア、中国、インド向けに販売を拡大し、自動車向けで車載電池が伸びるほか、新たに連結化する自動車用ミラー大手のフィコサ社が寄与するとのことだ。

また、今期は事業区分を車載二次電池、次世代コックピット、先進運転支援システム、エアコンなどの「高成長事業」、白物家電、航空、配線器具などの「安定成長事業」、半導体、液晶パネル、ソーラーなどの「収益改善事業」の3つに分け、成長戦略を実行していく。安定成長事業で稼いだ利益を高成長事業に積極的に投資していく方針だ。

特に高成長事業に区分した車載事業について、津賀社長は「14年以降、積極的に取り組んできたが非常に時間がかかり、17年度後半からやっと目に見えた売上高や利益の成長が得られる。自動車のライフサイクルを考えると、一度受注できれば3~4年は回収が続く。18年度に自動車向け事業で売上高2兆円という目標には手応えを感じており、その後も右肩上がりで大きく伸ばせる」と話し、こう付け加える。

「利益率については商品ごとに異なるが、高い商品で10%、最低でも5%確保し、全体では5%以上稼げるだろう。足元では電池と情報システムが牽引するが、今後は先進運転システムや電気自動車向けの電池以外の部品なども伸びていく」

今年度から自動車メーカー向けに大型件名の納入が続々とスタートするそうだ。その一方で、パナソニックは太陽電池、半導体、液晶パネルの3つの事業で赤字を抱えている。太陽電池については、テスラ社との協業によってなんとか挽回できそうだが、半導体、液晶パネルについては不透明だ。「19年度に黒字化を達成する」と津賀社長は意気込むが、16年度の経営方針説明会で売上高10兆円の目標をあっさりと撤回した前科がある。それだけに今回こそは言ったことを実行してもらいたいものだ。

《山田清志》

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