西鉄の観光電車は通勤車ベースの3両、デザインはコンペで…事業説明会

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西鉄 太宰府駅
西鉄 太宰府駅 全 3 枚 拡大写真

西日本鉄道が「新型観光列車を導入する」と発表して1か月が経った5月17日、同社が東京都内でグループ事業戦略説明会を実施。いまだベールに包まれたその正体が、少しずつ見えてきた。会見のなかで、特急用車両8000形の去就についても明らかに。

今回、都内の会見に登壇したのは、西鉄グループ 倉富純男代表(西日本鉄道代表取締役社長執行役員)と、西鉄上席執行役員 藤田浩展 事業創造本部長。新型観光列車については、藤田本部長が説明。質疑応答タイムには、両者が記者の質問に応じた。

西鉄が4月に発表した新型観光列車は、「沿線地域資源・魅力の発掘・発信」がメインテーマ。観光列車を通じ、「利用者の地域消費」「地域の販売拡大」「沿線の観光客増加」「沿線イメージ向上による居住人口の増加」を狙う。

メインターゲットは、「時代の変化に敏感で自分流に楽しみを広げるクリエイト型」と「堅実で社交的、ほどよい新しさを好む安定型」の2タイプで、編成は既存車3両を改造するという手法を取る。

男性より女性目線、着地型より沿線住民ウケ

同社が記したターゲットについて、「もう少し具体的に」と記者陣から問われ、藤田本部長は、「男女別でといわれると、女性。時代の流れに敏感な女性たちで、30~50歳代の女性がメインになるだろう」と語っていた。

また、国内だけでなく海外から注目されているJR九州の観光列車などに対し、西鉄の新型観光列車は、あくまでも地域・沿線住民に「乗って感じてもらうことが第一」という。

「JR九州と根本的に違うのは、沿線の活性化がまずありきという点。福岡県南部の魅力を、沿線の人たちに、非日常のなかで感じてもらえるような内容を考えている。この沿線には、都市圏人口でいうと、260万人がいる。これらの人たちにまず乗ってもらおう、と。福岡から大牟田方面へ乗ってもらって、南地区の魅力を知ってもらって、それが結果的にインバウンドなどにも伝わればと思っている」

あの巨匠じゃない、本線だけじゃない

西鉄の新型観光列車のプロデュースは、JR東日本「東北エモーション」や「走る美術館、現美新幹線」などを手がけたトランジットジェネラルオフィスがプロデュース、デザインはランドスケーププロダクツが担う。

この選出について、「コンペは行ったか」「改造はどこで」などと聞いてみると、幹部からはこんな答えが返ってきた。

「4社のコンペを実施した。JR九州で活躍されているデザイナーにお願いしちゃうと、九州全部が同じになっちゃうから、さすがに……。ただ、JR九州とは違うターゲットやミッションがあるので、利用者からはコントラストが見えて、楽しめるんじゃないか」

新型観光列車は通勤車ベース、8000系の去就

会見では、「8000形ベースの観光列車『旅人』『水都』の置き換えといううわさもあるけど」という記者の質問に、同社代表と本部長は「置き換えではない」と伝えていた。

「さすがに8000形はもう限界。廃車にしていく予定。だから、『旅人』と『水都』については、新たな車両でつくる予定。新型観光列車と2本立てで考えている」

「その新型観光列車は、通勤車をベースにつくっていく。改造は外部の車両製造メーカーに任せる予定。一部は自社工場でつくるものもあるかと思う」

この西鉄の新観光列車、「少なくとも20年間ぐらいは使いたい」というが、はたしてベース車両は何が選ばれるか。料金や運行については詳細を語らなかったが、「支線にも入れる予定」とも伝えていた。

《レスポンス編集部》

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